5月31日(水)
【5月30日の海外相場および市況】
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*連休明け30日のNY金は、前週末に約1カ月ぶりの高値を付けた反動から調整的な売りが出て3日ぶりに反落した。先週末はトランプ政権に対する先行き不安に加え、ギリシャ支援をめぐる問題など欧州情勢に対する懸念から、リスク回避姿勢が強まり、安全資産の金が買われたが、連休明けは利益確定売りが優勢となった。4月のコアPCEデフレーターは前年比で+1.5%と前月より低下したものの、予想と一致し、前月比では+0.2%と前回の+0.1%より加速していた。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを妨げる内容でないため、金には弱材料となった。一方、ギリシャ債務問題の懸念は支援要因となった。NY白金は3日ぶりに反落。

*連休明け30日のNY原油は反落。先週末発表された最新週の米国内掘削リグ稼働数が前週比2基増の722基と、19週連続で増加したため、米国内での増産が石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産効果を相殺するのではないかとの懸念が広がり、売りが優勢となった。リビアの産油量に増加の兆候が出てきたことも嫌気された。リビア国営石油会社(NOC)によると、同国産油量はシャララ油田の技術的問題で日量78万4000バレルだったが、30日から80万バレルに増産する見込み。ただ、米国ではドライブシーズンに入ったことで、ガソリン需要の増加が期待され、原油相場を支援する見込み。

*連休明け30日のシカゴトウモロコシは大幅反落。米中西部で、天候が改善するとの見通しが嫌気された。シカゴ大豆は産地の好天を受けて続落し、1年2カ月ぶりの安値をつけた。

*連休明け30日のNY外国為替市場では、欧州情勢の先行き不安から、リスク回避的な円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円は110円台後半に下落した。欧州情勢をめぐっては、ギリシャ支援問題をめぐる懸念に加え、6月8日に迫った英総選挙やイタリア総選挙の前倒し観測などで先行き不透明感が高まった。これらに加え、米長期金利の低下や米株安も受けて、ドル売り・円買いが強まり、ドル円は一時約2週間ぶりの高値となる110円67銭まで下落した。4月の個人消費支出は季節調整済み年換算で前月比0.4%増と、市場予想と一致。一方、個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比1.7%上昇と、前月の1.9%上昇から鈍化した。また、5月の消費者景気信頼感指数は117.9と前月実績の119.4と市場予想の119.5をともに下回った。

*連休明け30日のNYダウは続落。原油相場の下落や、5月の消費者景気信頼感指数が予想を下回ったことが弱材料。トラン米大統領が外遊から戻り、市場ではロシアが昨年の米大統領選に関与したとされる「ロシアゲート」疑惑が再び注目されている。議会やメディアの追及が激しさを増せば、減税の後ずれ懸念が広がり、投資家のリスク回避姿勢が強まりそうだ。市場では、近く開かれるコミー連邦捜査局(FBI)元長官の公聴会を見極めたいとの思惑から、様子見ムードが広がっている。


【本日の主な経済指標およびイベント】
08:01 (英) 5月GfK消費者信頼感 -7 -8 -5
08:50 (日) 4月鉱工業生産・速報 (前月比) -1.9% +4.2% +4.0%
10:00 (中) 5月製造業PMI 51.2 51.0 --
10:00 (中) 5月非製造業PMI 54.0 -- --
10:00 (NZ) 5月ANZ企業景況感 11.0 -- --
15:00 (独) 4月小売売上高指数 (前月比) +0.1% +0.3% --
16:55 (独) 5月失業者数 -1.5万人 -1.5万人 --
16:55 (独) 5月失業率 5.8% 5.7% --
17:30 (英) 4月消費者信用残高 +16億GBP +15億GBP --
18:00 (EU) 4月失業率 9.5% 9.4% --
18:00 (EU) 5月消費者物価指数(HICP)・速報 (前年比) +1.9% +1.5% --
21:00 (南ア) 4月貿易収支 +114億ZAR +74億ZAR --
22:45 (米) 5月シカゴ購買部協会景気指数 58.3 57.0 --
23:00 (米) 4月中古住宅販売保留件数指数 (前月比) -0.8% +0.5% --
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)


第117回 『おしえて陳さん』 
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