【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は小安く推移した。27日、トルコ中央銀行(TCMB、トルコ中銀)は、主要政策金利となる1週間物レポ金利を市場予想通りに8.00%に据え置くことを決定した。また、金利誘導レンジの上限となる貸出金利を9.25%、下限の借入金利を7.25%に据え置いた。事実上の貸出上限金利として使用する「後期流動性貸出金利」も12.25%で据え置いた。

*TCMBは、主要政策金利の1週間物レポ金利を挟み、翌日物貸出金利(上限金利に相当)、翌日物借入金利(下限金利に相当)という「3つの政策金利」によるコリドー(金利レンジ)を形成して、市場金利を誘導するやや複雑な金融政策を採用している。将来的には、 「金融政策の簡素化」を進め、金利の一本化を目指していると見られている。後期流動性貸出金利は本来、金融機関が資金不足を回避するための最終手段として用意されている例外的な資金供給金利であり、1月半ば頃から短期市場金利の事実上の上限として機能している。

*今週のトルコリラ円は、保ち合いで推移しよう。TCMBは声明文で、トルコ経済の回復は続いているとした。とりわけ内需が改善し、ユーロ圏からの需要の拡大が輸出の増加に寄与しているとして、今後も景気の強さが続くと見ている。

一方、物価については、食品価格の落ち着きなどがインフレ率の鈍化につながると見ているものの、現在の物価水準の高さに懸念を示している。このため、物価見通しが大きく改善しない限り、現在の引き締め的な金融政策を維持するとしている。

トルコ経済は、主要な輸出先であるユーロ圏の景気拡大などを背景に、回復傾向が続くと見られる。また、景気回復が続くなかで、TCMBは物価とトルコリラの安定を図るために金融引き締め姿勢を維持することから、当面政策金利を据え置くと見られる。TCMBの利下げに慎重な姿勢や高金利に加えて、政治情勢が落ち着きをみせていることなどから、トルコリラは安定的な値動きが続くと予想する。

7月19日には内閣改造が行われ、金融市場で信認の厚いシムシェキ副首相の留任が決まったことは好感されよう。

今週は、2日に7月消費者物価指数(CPI)が発表される。前年比で+9.9%と前回の+10.9%より低下する見込み。インフレ率は4月にピークアウトした可能性がある。

<強材料>
①.トルコ政府は2023年に世界10位の経済大国となることを目指しており、人口の多さ、地理的にもアジアとヨーロッパをつなぐ位置にあることから、「欧州の工場」として、海外からの企業誘致を積極的に行っている。
②.トルコは今年第1四半期に5.0%の経済成長を記録した。予想以上の成長を受けて、トルコ経済予測の上方修正が検討される可能性がある。
③.7月のトルコ経済信頼感指数は先月と比べて4.5%上昇した。

<弱材料>
①.6月のトルコ住宅販売件数は、前月と比べて16.3%、前年同月と比べて8.1%減少した。
②.5月の経常収支赤字が大幅拡大。

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予想レンジ:30.50円~32.00円


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