8月17日(木)
【8月16日の海外相場および市況】
ny0817

*16日のNY金は3日ぶりに反発。北朝鮮情勢への懸念は後退したが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を午後に控え、ショートカバーや安値拾いの買いが入りプラス圏に浮上した。7月の住宅着工件数は前月比4.8%減の115万5000戸と、市場予想の122万戸を下回ったことも、安全資産である金相場を下支えした。引け後に発表されたFOMC声明では、弱いインフレ動向を警戒し、追加利上げのタイミングは物価動向を見極めるまで「忍耐強く」待つべきだとの見方もあったため、年内あと1回の利上げに対して懐疑的な見方が強まり、発表後は上げ幅を拡大した。FOMC議事要旨によれば、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の間では最近の弱いインフレ指標に対する警戒感が高まりつつあり、一部ではこうしたインフレ傾向が一時的だと明確になるまで追加利上げは休止すべきだとの意見があった。NY白金はドル安を受けて3日ぶりに反発。

*16日のNY原油は3日続落。米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した週間在庫統計では、11日までの1週間に米国内の原油在庫は前週比895万バレル減の4億6650万バレルと、2016年1月以来の低水準になった。減少幅は市場予想の320万バレル減を大きく上回り、7週連続のマイナスとなった。しかし、取り崩しが見込まれていたガソリン在庫は110万バレル減少の市場予想に反して前週から変わらず、ディスティレート(留出油)も予想に反して在庫を積み増した。さらに、米国内の産油量が7万9000バレル増の日量950万2000バレルに拡大したことも明らかになったため、売りが優勢となった。協調減産に取り組んでいる石油輸出国機構(OPEC)の産油量が6月、7月と生産上限を上回ったことも確認されており、世界的な供給過剰も懸念された。米国のガソリン需要に関して葉、燃費向上と電気自動車(EV)の増加によってピークに達しつつある可能性があるとの見方が出た。中国石油天然ガス集団(CNPC)は、同国のガソリン需要が2025年ごろにピークに達し、消費も2030年ごろがピークになるとの見通しを示した。

*16日のシカゴトウモロコシは、小麦安に連れて続落。米中西部産地が生育に好ましい天気になるとの予報も圧迫要因。シカゴ大豆は堅調な輸出需要が支援要因となって反発。米大豆輸出協会は、中国の輸入業者の代表団が米国産大豆380万トン(約15億6000万ドル相当)を購入する契約に調印したことを明らかにした。

*16日のNY外国為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受けて円が買われ、ドル円は110円台前半に下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、7月25、26日に開いたFOMCの議事要旨を公表した。弱い物価動向に警戒感が示され、追加利上げの時期をめぐっては、改善に確信が持てるまで「忍耐強く」待つべきだとの認識が示された。このため、FRBが想定する年内あと1回の利上げの可能性に不透明感が広がったことから、円買い・ドル売りが強まった。さらに、トランプ大統領がこの日、米主要企業のトップで構成する戦略政策フォーラムと製造業評議会を解散するとツイッター上で表明した。12日に米バージニア州で発生した白人至上主義団体と反対派との衝突事件をめぐる発言で、諮問会議メンバーの辞任が相次いでいた。これを受けて、米トランプ政権の運営能力に懐疑的な見方が一段と強まったこともドル売り要因となった。

*16日のNYダウは小幅続伸。米小売り大手の2017年5~7月期決算は、既存店売上高が5四半期ぶりに増加し、1株当たり利益も市場予想を上回り、通期の業績見通しを上方修正した。好決算を受け、他の小売株にも買いが入った。しかし、トランプ大統領が米民間企業・団体のトップで構成する二つの諮問会議の解散を表明すると、ダウは上げ幅を縮小した。この日公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨はややハト派的と受け止められたが、政権の先行きへの不安が強く、株価を押し上げるには至らなかった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
07:45 (NZ) 4-6月期生産者物価指数 (前期比) +1.4% -- +1.3%
      (NZ) 4-6月期生産者物価指数 (投入高・前期比) +0.8% -- +1.4%
08:50 (日) 7月貿易収支 +4399億円(+4398億円) +3271億円 +4188億円
10:30 (豪) 7月就業者数 +1.40万人 +2.00万人 --
10:30 (豪) 7月失業率 5.6% 5.6% --
17:30 (英) 7月小売売上高 (自動車燃料含む:前月比) +0.6% +0.2% --
18:00 (EU) 6月貿易収支(季調前) +214億EUR +250億EUR --
18:00 (EU) 7月消費者物価指数(HICP)・確報 (前年比) +1.3% +1.3% --
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 24.4万件 24.0万件 --
21:30 (米) 8月フィラデルフィア連銀製造業指数 19.5 18.0 --
22:15 (米) 7月鉱工業生産 (前月比) +0.4% +0.3% --
22:15 (米) 7月設備稼働率 76.6% 76.7% 
 
第128回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/