【 東京白金は中段保ち合い形成期 】
*白金相場が動意付き、この1年のレンジの半値戻しライン(3417円)を上抜いた。ただ次第に上値が重くなり、3400円台で保ち合っている。

8月に入ってから、白金相場が上昇に転じたのは、パラジウム相場の高騰に連れ高している面があろう。NY市場における白金とパラジウムの比価は21日時点で1.06に縮小しており、従来のボトムと見られていた1.20を大きく下回っており、白金の割安感が強まっている。

白金にしても最近の安値低迷がもたらす弊害が表面化しつつあり、上昇に転じる可能性が高まってきた。

8月に南アフリカで、プラチナ・リーダーシップ・フォーラムが開催された。南アフリカの各白金鉱山会社CEOが集まり、南アフリカ鉱業資源大臣と面会を行なったが、白金価格の低迷に加えて、電気代の大幅上昇に伴う白金生産コストの上昇により、資産売却や人員削減が必要であることが話し合われたという。

南アフリカでは、白金産出のために大量の電力が消費されるが、電力の多くが石炭による火力発電に依存している。石炭価格が中国の需要増加を受けて急騰したため、白金の生産コストが大幅に上昇している。

大手白金鉱山は大規模なリストラを行い、業界再編の動きが強まっているという。例えば、インパラ社は800人ものリストラを実施し、ロンミン社は、年間50万オンスの白金生産能力の削減を発表した。NY白金のCFTC建て玉明細見ると、ファンドの白金買い越しは8月15日時点で2万7000枚程度だが、今年の最大買い越しである4万枚、昨年の6万枚近かった買い越しに比べれば、まだ買い余地は大きい。NY白金が1000ドルの大台を取り戻すのも時間の問題だろう。

*CFTC建玉8月15日時点:ファンドの白金買い越しは2万7181枚(前週比+2680枚)と増加。総取組高は7万0177枚と前週比373枚の減少。

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*今週の予想レンジ:3350~3480円

*白金と金の逆ザヤ幅は6月28日には-1175円まで拡大し、2015年1月に逆ザヤに転じてから最大となった。逆ザヤ拡大が止まり短期的には-1175円を底値として縮小し、8月9日には-1031円まで縮小した。白金相場に先高観が芽生えてきたため、逆ザヤも-1175円でピークを打った可能性が高い。

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