8月28日(月)
【8月25日の海外相場および市況】
ny0828

*週末25日のNY金は反発。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演を受けて対ユーロでドル安が進行し、割安感から買われた。イエレンFRB議長はこの日、ワイオミング州ジャクソンホールで開催中の金融シンポジウムで講演し、トランプ政権や与党共和党が目指す金融規制改革は「緩やかに取り組み、大手金融機関のリスク対応強化は維持すべきだ」と表明したが、保有資産縮小や追加利上げ時期など金融政策には言及しなかった。これを受けて、為替市場ではドル売り・ユーロ買いが加速し、ドル建て金に割安感が生じた。また、利上げに対する警戒感も後退し、金利を生まない資産である金には買いが入りやすくなった。CFTC建玉8月22日時点:ファンドの金買い越しは20万8438枚(前週比+2万0704枚)と増加。総取組高は50万0443枚と前週比2万2522枚の増加。

*週末25日のNY白金は反落。CFTC建玉8月22日時点:ファンドの白金買い越しは3万1824枚(前週比+4643枚)と増加。総取組高は7万1946枚と前週比1769枚の増加。

*週末25日のNY原油は反発。米メキシコ湾岸に接近中の大型ハリケーンに対する警戒感が強まる中、ドル安・ユーロ高の進行を受けて割安感から買いが入った。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日、金融シンポジウムで講演したが、市場が注目していた金融政策に関する言及はなく、為替市場ではドル売りが加速し、ドル建て原油は割安感から買われ、一時47.91ドルの高値を付けた。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内の石油掘削リグ稼働数も前週比4基減の計759基と2週連続のマイナスで、供給過剰懸念を和らげる内容となった。一方、市場は製油施設が集積する米メキシコ湾岸に向かって北上中のハリケーン「ハービー」の動向を注視。25日から26日にかけてテキサス州南部に到達するもようで、上陸前には5段階中の上から3番目に当たる「カテゴリー3」に勢力を強めるとみられている。このため、周辺地域では製油所の稼働停止が相次いでいる。しかし、石油精製処理が滞れば再び原油在庫が膨らみかねないとの思惑も強く、相場の上値は抑えられた。米エネルギー省は、ハービーによる打撃で必要になった場合は緊急備蓄の原油を放出する用意があると述べた。CFTC建玉8月15日時点:ファンドの原油買い越しは44万5448枚(前週比-1万8025枚)と減少。総取組高は223万6977枚と前週比7万4626枚の減少。

*週末25日のシカゴトウモロコシは反落。米国産トウモロコシの収穫高に対する楽観的な見方が相場を押し下げた。CFTC建玉8月22日時点:ファンドのトウモロコシ買い越しは7万0508枚(前週比-3万2751枚)と減少。総取組高は144万7921枚と前週比4万2053枚の増加。

*週末25日のシカゴ大豆は反落。週末を控え、利益確定売りに押された。ハリケーン「ハービー」は25日にテキサス州南部沿岸に上陸し、いずれはミシシッピ・デルタに雨と局地的な洪水をもたらすと予想されている。CFTC建玉8月22日時点:ファンドの大豆買い越しは1万8038枚(前週比-1万5247枚)と減少。総取組高は67万3527枚と前週比2万6326枚の増加。

*週末25日のNY外国為替市場では、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で金融政策に言及しなかったことをきっかけに円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円は109円台前半に下落した。米ワイオミング州ジャクソンホールで開催中の金融シンポジウムでは、イエレンFRB議長がこの日午前に講演。金融規制改革の見直しに関しては「緩やかに取り組み、大手金融機関のリスク対応強化は維持すべきだ」と表明したが、金融政策については言及しなかった。市場では保有資産縮小のほか、「年内あと1回」と想定されている追加利上げの時期について発言するのではないかとの観測も出ていたため、イエレンFRB議長が金融政策に触れなかったことで当局は金融引き締めに消極的との見方が広がり、ドル売りが強まり、一時109円11銭まで円高が進んだ。一方、ユーロは対ドル、対円で上昇。イエレン議長とドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁による講演はサプライズな内容ではなかったものの、講演後は持ち高調整によるユーロ買いが進んだ。CFTC建玉8月22日時点:ファンドのドル買い・円売りは7万4086枚(前週比-3406枚)と減少。総取組高は21万5457枚と前週比367枚の増加。

*週末25日のNYダウは小反発。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で、金融政策に言及しなかったことから、早期の米利上げ観測が後退し、株式市場には好感された。イエレンFRB議長はこの日、ジャクソンホール会合で金融規制改革について語り、金融政策には触れなかった。市場の一部は年内の追加利上げを示すタカ派的発言を警戒していたが、講演では、FRBが低インフレが続いていることを気にしており、もう少し様子見したいという姿勢が示された。また、コーン米国家経済会議(NEC)委員長が英紙のインタビューで、来週にも税制改革に着手すると語ったことも支援要因となった。市場は9月に再開される米議会の動向に焦点を移している。債務上限の引き上げ期限や2017会計年度末が迫る中、議会とトランプ大統領との溝は埋まる気配がないという。米国経済は底堅いが、政治的な不安が利益確定売りにつながり、上値が重くなっている。


【本日の主な経済指標およびイベント】
*ロンドン休場(サマーバンクホリデー)
21:30 (米) 7月卸売在庫 (前月比) +0.7% +0.3% 

第130回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/