【ミサイル発射に動じなくなった市場、関心はFOMCへ】

午前7時前、北朝鮮は北朝鮮西岸から弾道ミサイルを発射した。

ミサイルは07:04~07:06頃に日本領域上空(北海道地方)を通過し、07:16頃に襟裳岬の東約2000kmの太平洋上に着水した模様。

これをを受けて、リスクオフモードが強まり、ドル円は一時109円56銭までドル安・円高が進んだ。

しかし、東京市場が開始してからは、ドルが買い戻されて、110円60銭台まで上昇。

9日の北朝鮮「建国記念日」にミサイル発射の可能性が取りざたされており、ここ2日ほど前から発射の準備をしているとの報道もあって、市場がパニックに陥らなかったようだ。

為替が円安基調を取り戻したことで、日経平均株価も上昇し、1万9909円50銭(+102円06銭)で引けている。

市場の関心は来週19、20日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)だろう。

利上げはないと予想されているが、バランスシートの縮小開始が決定される可能性がある。

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米連邦準備制度理事会(FRB)は、リーマンショック後の景気後退局面において、政策金利をゼロに引き下げ、さらに、2009年~2014年にかけて量的緩和(QE1~QE3)を行った。

これは、FRBが米国債やMBS(住宅担保証券)を購入するもので、QE3後は再投資を行った。
この結果、FRBのバランスシートは、QE前の9148億ドルから4兆4978億ドル(2014年末)と、およそ5倍に膨らんだ。

イエレンFRB議長は、6月のFOMCで、年内にバランスシートの縮小を行うと言明した。
保有債券を徐々に減らすものの、金利の急上昇を懸念して市場では売却しないようだ。
満期になった債券の再投資を縮小する。

規模としては、当初は月額100億ドルまでとし、最終的には500億ドルまで増やすという。

この決定を、来週のFOMCで決定するかどうか、市場は最大に関心を持っている。
ドル高基調が続きそうだ。

昨日は、8月の生産者物価指数(PPI)の改善に続いて、8月の消費者物価指数(CPI)が上昇したことで、インフレ指標の改善も確認されている。

バランスシートの縮小開始に続き、「年内あと1回」の利上げへの見込みも出てくるならば、ドル円は上値抵抗線である111円をしっかり上抜き、112~113円のゾーンに浮上しよう。


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