9月26日(火)
【9月25日の海外相場および市況】
ny0926

*週明け25日のNY金は、北朝鮮情勢をめぐる緊張が再び高まる中、リスク回避目的の買いが入り続伸した。この日、国連総会のためNYを訪問中の李容浩北朝鮮外相が記者団に対し、トランプ大統領が「北朝鮮は長くはないだろう」と発言したことについて、「トランプ大統領は宣戦布告をした」と強調。米軍機の撃墜など「自衛的な対応を取るあらゆる権利がある」と警告した。これを受けて地政学的リスクが高まり、安全資産である金が買われた。NY白金はドル安を受けて12日ぶりに反発。

*週明け25日のNY原油は大幅続伸し、5カ月ぶりの高値をつけた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国の協調減産を点検している合同閣僚監視委員会は22日、ウィーンで会合を開催。最近の原油相場の安定を理由に、2018年3月末までの協調減産の延長を正式勧告することを見送った。同会合の議長を務めたクェートのマールゾウク石油相は、減産が世界の原油在庫をOPEC目標の5年平均水準に削減するのに寄与していると指摘。減産の効果が出始めていることを強調したことから、買いが優勢となり、一時52.28ドルまで上昇した。このほか、中東地域の地政学的リスクも原油相場をサポートした。イラク北部クルド自治政府は25日、独立の是非を問う住民投票を実施したが、イラク中央政府のほか、クルド人を多く抱えるトルコやイランなどが中東の不安定化を招くとして反発。トルコはイラク中央政府やイランと協調して制裁を科す可能性を警告している。トルコはイラク北部クルド自治区産の原油をトルコ国内の港に輸送しているパイプラインを停止する可能性を警告し、独立の是非を問う住民投票を実施したクルド自治区への圧力を強めた。またクルド自治政府とイラク中央政府との間では産油都市キルクークの帰属争いも続いており、原油供給に混乱が生じるのではないかとの懸念が広がっている。

*週明け25日のシカゴトウモロコシは、小麦高になびいて小幅続伸。シカゴ大豆は、良好なブラジル産地の天候を受けて反落。

*週明け25日のNY外国為替市場では、米朝間の対立激化に対する警戒感から安全通貨である円を買う動きが強まり、ドル円は111円台後半に下落した。24日投開票のドイツ連邦議会(下院)選挙では、メルケル首相率いる保守党与党が大幅に得票率を落とす一方、「反難民」を掲げる新興右派政党が躍進し、ドルは対ユーロで反発し、対円でも買われ、アジア時間では112円台で推移していた。しかし、この日、国連総会のためNYを訪問中の李容浩北朝鮮外相が記者団に対し、「トランプ米大統領は宣戦布告をした」と強調。米軍機の撃墜など「自衛的な対応を取るあらゆる権利がある」と警告した。これをきっかけに相場の流れが急反転し、ドル円は一時111円47銭まで下落した。また、ダドリー・NY連銀総裁が年内の追加利上げに前向きな姿勢を示したが、エバンズ・シカゴ連銀総裁は拙速な利上げは景気にはリスクになると懸念を表明した。市場は、26日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演で、金融政策に関する手掛かりが示唆されないか注目している。

*週明け25日のNYダウは、緊迫化する米朝関係に警戒感が強まり、3日続落した。この日、国連総会のためNYを訪問中の李容浩北朝鮮外相が記者団に対し、「トランプ米大統領は宣戦布告をした」と強調。米軍機の撃墜など「自衛的な対応を取るあらゆる権利がある」と警告した。これを受けて、リスクオフモードが強まり、売りが優勢となった。株式市場は、米政府が27日に公表する税制改革案に注目している。


【本日の主な経済指標およびイベント】
06:45 (NZ) 8月貿易収支 +0.85億NZD(+0.98億NZD) -8.25億NZD -12.35億NZD
08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨(7月19-20日開催分)
・強力な金融緩和を推進
・景気は緩やかに拡大
・2%程度は2019年ごろの可能性が高いとの認識を共有
09:00 (NZ) 9月ANZ企業景況感 18.3 -- 0.0
22:00 (米) 7月S&P/ケースシラー住宅価格指数 (前年比) +5.65% +5.70% --
23:00 (米) 8月新築住宅販売件数 57.1万件 58.5万件 --
      (米) 8月新築住宅販売件数 (前月比) -9.4% +2.5% --
23:00 (米) 9月消費者信頼感指数 122.9 120.0 --
23:00 (米) 9月リッチモンド連銀製造業指数 14 13


第134回 『おしえて陳さん』 
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