【ドル円、今週の見通し】
*今週のドル円は、ドル高基調が継続しそうだ。週明け25日のドル円はギャップアップして112円台半ばに反発した。週末に北朝鮮が軍事的示威行動を見せなかったことで、市場には安心感が広がったようだ。

安倍首相は衆議院解散・総選挙を表明することも、日銀の金融緩和策が継続する見込みからドルを押し上げたようだ。過去のパターンでは、投開票予定日の10月22日に向けて株高・円安が予想される。

先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、12月の利上げ確率が70%台まで織り込まれた一方、日銀の黒田総裁が大規模緩和継続の姿勢を示した。日米の金融政策の方向性の違いからドル買い・円売りが進みやすい状況になっている。先週末は、北朝鮮外相が太平洋で水爆実験を行う可能性を示唆したことでドル円は112円を割り込んだが、ドル高トレンドが崩れるような下落には至らず、市場の北朝鮮リスクに対する見極めがしっかりしてきたようだ。

今週は、日米で政策期待に変化が起きる可能性がある。米国のライアン下院議長は税制改革の概要を発表するとしており、トランプ政権の迷走で消滅しつつあった財政刺激への期待が復活すれば、新たなドル買い材料になるだろう。 一方、日本の安倍首相は25日に衆院解散を表明する。25日の日経平均株価は政策期待から上昇し、株高はドル円もサポートしよう。

懸念要因としては、北朝鮮が10月10日の「朝鮮労働党創立年記念日」に向けて、太平洋上

で水爆実験を強行する可能性が警戒されている。また、9月中間期末決算に向けた本邦機関投資家によるレパトリ(外貨建て資産売却・円買い)が予想されることもドル円の上値を抑える可能性がありそうだ。

*CFTC建玉9月19日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万1322枚(前週比-5975枚)と減少。総取組高は18万5352枚と前週比1万5092枚の減少。

<主なイベント・経済指標>
*25日にダドリーNY連銀総裁講演、26日にイエレンFRB議長、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、27日にブラード・セントル イス連銀総裁、28日にローゼングレン・ボストン連銀総裁やジョージ・カン ザスシティー連銀総裁、フィッシャーFRB副議長、29日にハーカー・フィ ラデルフィア連銀総裁がそれぞれ講演を行う。

*経済指標、日本では29日に8月消費者物価指数、8月鉱工業生産。米国では25日に米8月シカゴ連銀指数、26日に米9月消費者信頼感、米7月S&Pケースシラー住宅価格、米8月新築住宅販売件数、27日に米8月耐久消費財、8月中古住宅販売、28日に米4-6月GDP確定値、29日に8月PCEコア・デフレーター、米9月シカゴPMI、9月ミシガン大消費者信頼感、8月個人消費所得。

*特に、8月PCEコアデフレーターがインフレ率の動向を見る上で注目されるだろう。

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*予想レンジ:111.50円~113.50円


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