【東京金は高値での保ち合いが続きそう】
*先週のNY金は、20日に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて下落基調が強まったが、北朝鮮リスクに下値はサポートされた。20日に終了したFOMCでは、政策金利を1.25%に据え置き、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を10月に開始することを決定した。利上げに関しては、「年内あと1回」、「来年3回」の予測を維持した。20日時点のCMEのフェドウオッチによる12月の利上げ確率は72%まで上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が市場の想定よりもタカ派的な姿勢を示したことから、米長期金利が上昇し、為替市場ではドルが上昇した。そのため、ドル建て金は割高感から売られ、一時1291.20ドルとおよそ1カ月ぶりの安値をつけた。

しかし、週末22日は、北朝鮮リスクが懸念され、金は反発した。トランプ大統領が国連演説で「北朝鮮を完全に破壊するしかなくなる」と警告したが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はこれに対し、声明で「史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」と表明した。北朝鮮の李外相は、同国が太平洋上で過去最大級の水爆実験を行う可能性を示唆した。週明け25日は、北朝鮮の李外相が、トランプ大統領が「北朝鮮は長くはないだろう」と発言したことについて、「トランプ大統領は宣戦布告した」と強調。米軍機の撃墜など「自衛的な対応を取るあらゆる権利がある」と警告した。地政学的リスクが高まり、金は大幅続伸し、1311.50ドルと前週末比+14.0ドルで引けた。

日足チャートで見ると、1290ドル台まで下落したものの、上昇トレンドラインにサポートされて反発して1300ドル台を回復したため、押し目が完了した可能性が高い。逆に、このラインを下回った場合、1250ドル近辺までの下落が想定されるかもしれない。

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*CFTC建玉9月19日時点:ファンドの金買い越しは23万6089枚(前週比-1万8671枚)と減少。総取組高は57万0096枚と前週比1万0510枚の減少。

*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、8月7日に年初来最小量786.87トンとなったが、14日から増加に転じ、9月25日時点では856.08トンとなった。年初来最大量は867.00トン(6月8日)。北朝鮮の核実験を受けて地政学的リスクが高まり、安全資産である金に見直し買いが入ったようだ。金相場が下落している局面で金ETFが増加しており、安値で買い拾う投資家が多いことがわかる。

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*先週の東京金は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けたNY金の下落が弱材料となり、売りが優勢となった。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が、年内と来年の利上げ見通しを維持したため、為替市場ではドル高・円安基調が強まり、下げ幅は限定的となった。

米国と北朝鮮の言葉の応酬は次第に熱を帯び、北朝鮮が「米が宣戦布告した」と非難し偶発的事故が本当に“Hot War”になるのではないかとの懸念が強まっている。10月10日の「北朝鮮労働党創立記念日」には再び何らかの軍事的示威行動に出る可能性もある。また、北イラクのクルド人自治区では独立にむけての投票が行われ、圧倒的支持で独立支持となった。イラク中央政府のみならずイラン、トルコもこれに反対し、軍事的衝突が懸念される状況になっている。地政学的リスクが途切れることはなさそうで、金相場をサポートしよう。

また、25日には、シカゴ地区連銀のエバンス総裁が早期利上げに慎重な姿勢を示したことも支援要因となって、NY金は一時1315.8ドルと20日以来の高値を付けた。FRBは利上げ見通しに関して、従来の見方を踏襲したものの、それで利上げが決定したわけではない。今後とも米経済指標とりわけインフレ関連指標が注目され、利上げの有無の予想により金相場も上下しよう。

29日には8月PCEコアデフレーターが発表される、予想は前年比で+1.4%が予想されており、前回と変わらずで、インフレ上昇には至っていない。この予想通りであれば、ドル売り・NY金高となろう。

逆に、予想を上回る伸びであれば、ドル買い・NY金売りとなろう。ただ、地政学的リスクもあるため金の下げ幅も限定的と予想され、東京金は4650~4700円の当たりで保ち合いとなりそうだ。

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*今週の予想レンジ:4600~4750円

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