【 東京白金は安値低迷が続きそう 】
*先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派的な内容を受けてドルが上昇し、NY白金は下落基調が続いた。それ以上に、将来の電気自動車開発拡大により、今後の触媒需要を低下させると見られている。

さて、白金の最大生産国である南アフリカでは、政治的・経済的な悪材料が出ており、南アランドは下落の可能性が高まっている。世界的な会計会社KPMG本社は、南アフリカ政権との癒着が暴露されたインドのグプタ家富豪一族のために行った業務を内部調査で調べたところ様々な不正が発覚し、南アフリカのKPMG事務所の幹部を総退陣させた。KPMG本社は汚職を認め、南アフリカに謝罪した。当然ながらズマ大統領にも嫌疑がかけられ、南アフリカの政治的なスキャンダルになっている。

また、南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は、今年の同国の経済成長率予想を1.3%から0.5%へ引き下げているが、世界銀行も南アフリカの今年の予想成長率を1.1%から0.6%へと引き下げた。

先週、米連邦準備制度理事会(FRB)が資産縮小を決定したことで、投資資金が新興国から流出する可能性があり、南アフリカのように、政治的・経済的に脆弱な国は特に、そのリスクが高いだろう。南アランドが下落することになれば、南アランド建て白金に割高感が強まり、白金には売り圧力が強まることになる。東京白金は全値戻しで3200円台も想定されるチャートパターンであり、安値低迷が続きそうだ。

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*CFTC建玉9月19日時点:ファンドの白金買い越しは3万1648枚(前週比-6349枚)と減少。総取組高は7万6633枚と前週比3844枚の減少。

*今週の予想レンジ:3300~3500円

*白金と金の逆ザヤ幅は6月28日につけた-1175円を底抜けし、9月25日には-1270円まで拡大し、過去最大となった。地政学的リスクで金が買われるのに対し、白金を買う強材料があまり見当たらず、「金買い・白金売り」が有利な展開が続きそうだ。


saya


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