【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上値の重い保ち合いが続きそうだが、北朝鮮リスクが高まった場合、急激な円高も起こりそうで、下方リスクに注意したい。前週末6日、北朝鮮が長距離ミサイルの発射実験を準備しているとのロシア報道を受けてドルは下落に転じたが、トランプ大統領は7日、対北朝鮮には「有効な手段は一つしかない」と指摘し、軍事行動が念頭にある可能性を示唆した。

9月の米雇用統計で賃金上昇というインフレ率改善を示す指標が出たにも関わらず、地政学的リスクへの懸念からドルは反落に転じた。米連邦準備制度理事会(FRB)による12月の利上げ見通し確率は、6日時点で90%近くまで織り込まれた。「年内あと1回」の利上げは、強材料としてはほぼ織り込まれてしまい、ドル買い要因としては、影響が小さくなってきたようだ。

なお、5日の米下院では、法人減税やレパトリ減税などを含む2018年度の予算案を可決した。法人減税は米景気を押し上げるため、ドル買い要因となる。レパトリ減税でグローバル企業が海外に保有する利益を国内に還流することになれば、これもドル高要因となる。

一方、北朝鮮が10日の朝鮮労働党創建72周年記念日から18日の中国共産党大会にかけて、なんらかの軍事的実験を行なう可能性がある。実施した場合、マティス米国防長官は軍事行動の可能性を警告している。

また、10月中旬に米財務省が発表する為替報告書の結果次第では、16日に開催される日米経済対話で、日本に対する貿易不均衡是正圧力が高まることが考えられ、円高圧力となりそうだ。

10日に発表された貿易収支(輸出から輸入を差し引く)は46.2%増の3187億円の黒字(予想は2649億円の黒字)となり、3カ月連続で黒字となった。

日本国内においては、10日に衆議院が解散され、22日に総選挙が行われる。過去のパターンでは経済政策への期待から、円安・株高で推移するが、与党が惨敗しないまでも議席を減らすことになれば、アベノミクスへの失望感から、円安・株高の巻き戻しが警戒される。今後の世論調査にも注意したい。

<主なイベント・経済指標>
*主なイベント:10日は北朝鮮「朝鮮労働党創建記念日」、11日は中国共産党7中全会開催、9月FOMC議事録、12日はG20財務相・中央銀総裁会議(〜13日)、13日国際通貨基金(IMF)年次総会(〜15日)など。

*経済指標:日本では10日に8月国際収支、9月景気ウォッチャー調査、11日に8月機械受注など。海外では13日の米9月消費者物価指数(CPI)9月小売売上高、10月ミシガン大学消費者景況感指数など。

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*予想レンジ:111.50円~113.50円


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