【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。米国の年内あと1回の利上げが確実視される中、新興国通貨には売り戻しが継続している。こうした環境の中、先週発表されたトルコの経済指標は強弱入り混じったものとなった。

2日に発表された9月の貿易赤字は対前年同月比85%増の81.4億ドルとなった。輸出額は8.7%増の118億ドル、輸入額は30.7%増の199億ドルだった。

3日に発表された消費者物価指数(CPI)は11.2%と、2017年中で3番目に高い数値となった。コアインフレーション(エネルギー、食糧等の価格変動の大きい分野を除いた数値)は10.98%と、2004年2月以来の最高値となった。

また、トルコの対外債務総額は、2017年6月末時点で4324億ドルに達し、国内総生産(GDP)のおよそ52%に相当することが判明した。2003年以来初めて過半数を超えた。

一方、2017年上半期(1~6月)の建設産業は、+6.4%となり、全体の経済成長率を上回った。また、9月のトルコ国内の自動車販売台数は前年同月比+6.0%となった。

*今週のトルコリラ円は、上値の重い展開が続きそうだ。週明け9日のトルコリラ円は急落した。日本が休日の中、早朝の急落を受けて東京市場ではストップロスが発動し、売りが売りを呼ぶ展開となった。

これは米国トルコの関係悪化が原因。トルコ政府は、2016年7月のクーデター未遂事件を扇動したとしてギュレン師をトルコに送還するよう米政府に求めていた。ただ、ギュレン師は事件への関与を否定し、オバマ前大統領は送還を拒否していた。9月の国連総会に渡米したエルドアン大統領はトランプ大統領と初めて会談し、両国関係やギュレン氏送還について話し合った。トルコ当局は先週、ギュレン師とつながりがあるとの疑いで米総領事館の職員(トルコ人)を拘束した。これに対し、米側は根拠がなく、二国間関係を損なうとして強く非難した。

8日には在トルコ米大使館が、トルコ国内でのすべての一般査証(ビザ)の発給業務を無期限に停止した。在米トルコ大使館もこれに対抗する形で米国人に対する非移民ビザの発給業務を停止すると発表した。

米国とトルコ関係の緊張が急激に高まり、これを嫌気して9日早朝に、トルコリラは対ドルで急落した。東京市場はこの急落を受けてトルコリラ円が大幅下落し、ストップロスが発動して、売りが売りを呼ぶ展開となった。

トルコリラ円の6日の終値は31.19円だったが、週明け9日の始値は30.10円3.5%も急落して寄り付き、そこから28,61円まで急落した。高値は30.65円、終値は30.43円だった(いずれも約定値)。

10日は30.50円台で推移し落ち着いてきたが、急落の後だけに上値の重い展開が続くだろう。
ただ、日足は長大下ヒゲを引いており、目先の底値を示唆している可能性がある。

なお、トルコ国内の経済動向は悪くないようだ。2日、格付け会社フィッチ社は、2017年のトルコの経済成長率見通しを1.7%から5.5%に上方修正した。また、同社は、「Global Economic Outolook」において、第3四半期の経済成長率は7%を上回る可能性があることも示した。

トルコ政府は9月27日に2018年から2020年の中期経済・財政計画を発表している。2017年と今後3年間の実質国内総生産(GDP)成長率見通しについては、これまでの見通しを上方修正し、毎年前年比で+5.5%とした。フィッチ社の見通しもこれに沿ったものとなった。

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*予想レンジ:30.00円~31.20円


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