10月12日(木)
【10月11日の海外相場および市況】
ny1012

*11日のNY金は4日ぶりに反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えて警戒感が広がり、利益確定売りが出た。引け後に公表されたFOMC議事要旨では、追加利上げのカギとなるインフレ動向に関して意見が依然割れており、想定する「年内あと1回」に強い確信が得られていないことが示された。そのため、電子取引では7ドル程度高い1296ドル近辺で推移している。NY白金は3日ぶりに反落。

*FOMC議事録要旨(9月19、20日分)
・多くのメンバーが年内の追加利上げが正当化されると判断
・低インフレは一時的な要因ではないとの懸念
・追加利上げは今後のデータ次第であるべき
・賃金の伸びが加速すると予測
・2%目標を下回るインフレ基調に懸念
・何人かのメンバーはインフレ上昇が確信できるまで利上げの見送りを主張

*11日のNY原油は3日続伸。この日公表された石油輸出国機構(OPEC)月報によると、9月の加盟国産油量は前月比0.3%増の日量3274万8000バレルとなり、昨年11月末の減産合意時に設定した生産上限の3250万バレルを4カ月連続で超過した。ただ、2018年の世界石油需要見通しに関しては前回予想から日量23万バレル引き上げて3306万バレルに設定した。また、OPEC加盟・非加盟国による協調減産で供給過剰が解消されつつあるとの見解が示され、2018年は供給不足になる可能性なども指摘された。国際通貨基金(IMF)が10日に発表した最新の経済見通しでも、2017年と2018年の世界全体の成長率予想を上方修正していたことも支援材料となった。引け後に発表された米石油協会(API)による週間在庫統計では、6日までの原油在庫が310万バレル増加した。市場予想は200万バレル減少だった。これを受けて、電子取引では0.25ドル安の51.05ドル前後で推移している。

*11日のシカゴトウモロコシは続落。米農務省は11日、トウモロコシの作柄で「良」「優良」の割合を64%と、前週の63%から引き上げた。シカゴ大豆は小幅続落。

*11日のNY外国為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を受けて一時上下したものの、112円台半ばで小動きとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)は11日、9月19日、20日のFOMC議事要旨を公表した。想定する「年内あと1回」の利上げについては維持されたものの、利上げの決定を左右するインフレ動向に関してはFOMC内で見方が分かれていたことが判明。これを受けて、12月の追加利上げ観測が後退したことから、円買い・ドル売りが一時優勢となった。ただ、FOMC議事要旨の内容は予想通りで、マーケットは12月の利上げを織り込んだと解釈する向きも少なくなく、ドル売り・円買いの反応は一時的にとどまった。

*11日のNYダウは続伸し、史上最高値を更新した。主要な米経済指標の発表がない中、業績期待が高まった個別銘柄への物色買いに支えられた。また、トランプ大統領が同日夕の演説で、税制改革による中間層の所得押し上げ効果に言及するとの報道も買い材料視された。トランプ大統領は、平均的な世帯収入が4000ドル(約45万円)増となる見通しを示したが、市場では、効果の根拠は不十分なものの、前週末の雇用統計で示された賃金上昇とともに消費拡大への期待が高まった。


【10日の主な経済指標およびイベント】
08:01 (英) 9月RICS住宅価格 +6% +4% +6%
09:30 (豪) 8月住宅ローン貸出 (前月比) +2.9% +0.5% --
13:30 (日) 8月第3次産業活動指数 (前月比) +0.1% +0.1% --
18:00 (EU) 8月鉱工業生産 (前月比) +0.1% +0.6% --
21:30 (米) 9月生産者物価指数 (前月比) +0.2% +0.4% --
      (米) 9月生産者物価指数 (コア:前月比) +0.1% +0.2% --
      (米) 9月生産者物価指数 (前年比) +2.4% +2.6% --
      (米) 9月生産者物価指数 (コア:前年比) +2.0% +2.0% --
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 26.0万件 25.0万件 --

第136回 『おしえて陳さん』 
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