【 東京金は押し目完了の可能性大】
*先週のNY金は、良好な米経済指標を受けて下落した。9月のISM製造業景況指数が60台に上昇し、13年ぶりの高水準を回復した。9月のISM非製造業景況指数も59.8と約12年ぶりの高水準に達した。9月の全米ADP雇用報告は、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)が前月比13.5万人増と、相次ぐハリケーン襲来の影響で昨年10月以来の低い伸びにとどまったものの、市場予想の12.5万人増を上回った。最新週の新規失業保険申請件数も、前週と市場予想を下回った。8月の製造業受注も前月比1.2%増と市場予想の1.0%増を上回った。そして、6日に発表された9月の米雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比3万3000人減少し、伸びが7年ぶりにマイナスとなったが、失業率は16年7カ月ぶりの水準に改善したほか、物価の先行指標として注目される平均賃金の増加ペースが+0.5%と市場予想の+0.3%を上回った。これを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定している「年内あと1回」の利上げが確実視され、米長期金利が上昇し、ドルが買われ、NY金は1262.8ドルまで売られた。

しかし、北朝鮮が長距離ミサイルの発射実験を準備しているとするロシアからの報道がきっかけとなり、ドルは急落し、ドル建て金は割安感が強まり、1270ドル台を回復して週を終えた。週明け9日も、北朝鮮をめぐる地政学的リスクを背景に買いが継続し、10日は1296ドルまで上昇し、1300ドルに接近した。NY金の日足チャートは押し目を確認したようなパターンとなっており、1300ドル台を回復すれば、再び上昇基調が強まってくるだろう。

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*CFTC建玉10月3日時点:ファンドの白金買い越しは2万1929枚(前週比-3434枚)と減少。総取組高は7万1860枚と前週比873枚の減少。

*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、8月7日に年初来最小量786.87トンとなったが、14日から増加に転じ、10月10日時点では858.45トンとなった。このペースで増加すれば、年初来最大量の867.00トン(6月8日)を更新するのも時間の問題だろう。地政学的リスクや政治的不透明が強い中、安全資産である金に見直し買いが入っているようだ。


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*良好な米国の経済指標を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定している「年内あと1回」の利上げ見通しが確実視されている。CMEのFED WATCHによると、6日時点で12月の利上げ確率は89%まで織り込まれた。また、米下院が2018年度(2017年10月~2018年9月)予算の大枠となる予算決議案を可決し、税制改革案が実現される可能性が高まった。NYダウも史上最高値を更新し続けている中、リスクオンモードが高まっているが、NY金は1260ドルで下げ止って反発に転じた。

北朝鮮に対してトランプ大統領は、軍事的手段を示唆するなど地政学的リスクが高まっていることが金相場をサポートした。スペインのカタルーニャ州の独立問題も燻っている。

しかし、それ以上にドルに関する強材料がほぼ出尽くしてしまったことが、金を買い戻す要因になったのではないかと思われる。今月中旬頃に半期に一度の「為替報告書」公表される予定だが、4月に公表された時より、ドル高・円安が進んでいること、日本の貿易黒字が拡大していることなどから、ドルが対円で下落圧力を受ける可能性が高い。

また、今月26日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会ではテーパリングが議題にあがる予定で、ユーロが上昇する可能性が高いだろう。ドル建て金はドルが上昇すると割高感から売られるが、ドルが下落すると割安感から買われる。ドル高の是正を受けて、ドル建て金は上昇に転じる可能性が高いだろう。

東京金は4600円を割り込んだところで下げ止まり、日足チャートではギャップの上限でサポートされた格好になった。9月19日につけた年初高値の4721円を更新すれば、4800~5000円のゾーンに浮上しよう。

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*今週の予想レンジ:4600~4700円


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