【ニュージーランドドル円、先週の動き・今週の予想】
*先週のニュージーランド(NZ)ドル円は、大幅下落となった。9月23日に実施された総選挙では、与党・国民党が第1党となったが過半数には達しなかった。第2党は労働党で、新たな政権を樹立する上でポピュリスト政党である第3党のNZファースト党の動向が焦点になっていた。NZファースト党のピータース党首は19日、労働党の政権樹立を支援すると表明した。これにより、約10年に及んだ国民党政権は終わりを迎え、労働党のアーダーン党首が同国3人目の女性首相になることになった。 政治的な先行き不透明感が警戒され、ニュージーランドドルには売りが強まった。

*今週のニュージーランド(NZ)ドル円は、安値圏で保ち合いとなりそうだ。先週発表された7-9月期消費者物価指数(CPI)は、前期比+0.5%、前年比+1.9%といずれも市場予想を上回り、かつ前期から加速した。市場の利上げ期待が高まったが、同国の政権交代が水を注した。

連立政権の鍵となった第3党のNZファースト党は、移民政策に対して強硬的で保護主義的でもあるため、市場では、新政権が移民や住宅市場での規制強化に動くとの見方から、同国の景気減速懸念が強まっている。政権運営が行われるまでは、ネガティブ要因が先行する可能性が高く、ニュージーランドドルは引き続き、上値の重い展開になろう。

26日に発表される9月の貿易収支は、9億NZドルの赤字となる見込みで、前月の12億3500万NZドルの赤字からは赤字幅が縮小する見込み。交易条件の改善は支援材料となる。

なお、ニュージーランドはTPPの原加盟国「P4」の1つ。米国が離脱した後も「TPP11」の早期発効を推進してきたが、新政権はTPPや自由貿易協定(FTA)に対して慎重な姿勢に転換すると見られれている。

nzd1023

*予想レンジ:77.00円~81.00円


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