【ニュージーランドドル円、先週の動き・今週の予想】
*先週のニュージーランド(NZ)ドル円は下落した。ニュージーランド(NZ)では、第2党である労働党と第3党のNZファースト党による連立政権ができ、第1党である国民党が下野することになった。NZファースト党は通貨安を望んでおり、ニュージーランドドルは下落基調を強めた。9月の貿易赤字が11億4300万NZドルと市場予想の9億NZドルを上回る赤字幅だったことも売り要因になった。

*今週のニュージーランド(NZ)ドル円は、上値の重い展開が続きそうだ。ニュージーランドではおよそ10年ぶりに政権交代が起きた。新内閣は中道左派である労働党のアーダン党首が首相となる。新政権では、環太平洋経済連携協定(TPP)の再交渉を主張し、移民規制や外国人の中古住宅の購入禁止、最低賃金の引き上げなどを政策の柱としている。こうした保護主義的政策への懸念から、ニュージーランドドルには売り圧力が強まっている。

また、NZファースト党は、ニュージーランド準備銀行銀行(RBNZ、ニュージーランド中銀)に物価安定に加えて雇用の最大化も責務とする法改正を望んでおり、RBNZが長期にわたり低金利政策を維持していくとの見方も広がっている。

11月1日に発表される7-9月期の失業率は4.7%と2008年10-12月期以来の低水準へ改善し、雇用者数は前期比0.8%増と前期の0.2%減から持ち直す見込み。雇用統計の改善が確認されれば、下げ止まりのきっかけになるかもしれない。

ただし、アーダン首相は11月にベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、TPP合意案の修正を求める方針を示しており、NZドルの上値を抑える可能性もある。貿易や外資に関する規制が導入されれば、開かれた経済で経済成長してきたニュージーランド経済への失望を招き、再び下落基調が強まる可能性がある。


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*予想レンジ:76.00円~79.00円


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