【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は、経常赤字の増加が嫌気されて下落した。13日のトルコ中央銀行統計によれば、2017年9月のトルコの経常赤字は前年同月比で29億3400万ドル増加して、45億2700万ドルとなった。この結果、過去12ヶ月間の経常赤字は392億6700万ドルとなった。15日、8月の失業率は、前年同月と比べて0.7ポイント低下して、10.6%となった。同期の失業者数は8万9000人減少して、340万4000人となった。

*今週のトルコリラ円は、円高の影響を受けて上値の重い展開が続きそうだ。10月8日、米国とトルコが相互にビザの発給を停止したことで、両国の関係悪化懸念が高まり、トルコリラ円は下落基調を強めた。その後11月6日に米国とトルコはビザ発給を一部再開し、9日に両国は会談を持つなどして、関係の修復が図られた。新興国であるトルコは海外からの資金調達の必要性が高く、今後も欧米諸国との関係は重視される。10月の消費者物価指数(CPI)は対ユーロでのリラ安や原油高を背景に前年比+11.90%へ加速し、コアCPIは前年比+11.82%と2004年1月以来の高水準へ上昇した。インフレ率の高止まりを受けて、トルコ中央銀行は10月26日に政策金利を8.00%に据え置いた。金融政策は今後も引き締め政策が継続される見通し。今後、トルコリラが上昇基調に転じるには、インフレがピークアウトすることが必要だろう。

*トルコ中央銀行は、リラ安対策として2017年末までに30億ドルの外貨売却入札を決定した。外貨をオークションで売る間接的な介入であるが、トルコ中銀は同じようなことを2013年7月にも行って、通貨安防衛を行った。当時は22.5億ドルの売却だった。

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*予想レンジ:28.50円~30.00円


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