【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は、円高の影響もあって下落した。10月31日に発表された2017年7-9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比+1.6%と、底堅い結果となった。9月に発生した大地震やハリケーンの影響により前期から減速したものの、経済成長率は来年前半にかけて加速すると見込まれている。9日、メキシコ銀行(中央銀行)は金融政策決定会合で政策金利(翌日物銀行間レート)を7.00%に据え置いた。また、9日に発表された10月の消消費者物価指数(CPI)は前年同月比で+6.37%と、メキシコ中央銀行の物価目標レンジ(+2.0~4.0%)を大きく上回った。

*今週のメキシコペソ円は、保ち合いとなりそうだ。メキシコ銀行は、9日の金融政策会合で、政策金利である翌日物金利を7.0%で据え置いたが、6月の利上げを最後に3会合連続の据え置きとした。インフレ率は小幅低下しているが、引き続き目標を上回っている。10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+6.37%だった。7-9月期の実質国内総生産(GDP)は、大地震の影響もあって前期比-0.2%と、7期ぶりのマイナスとなった。10-12月期には持ち直すと見込まれている。メキシコ銀行は、景気の先行きについて、下方リスクが大きいとしているものの、当面は、インフレ率の目標圏内への誘導を目的に、高めの金利を維持する見込み。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉は依然として進展がなく、今後のメキシコ経済に与える影響も不透明。メキシコペソは、NAFTA再交渉に対する懸念から、10月は下落していたが、10月25日に通貨委員会がペソ買い介入強化を発表し、現在は落ち着いている。とはいえ、最大の貿易相手国米国との交渉に影響を受けるため、神経質な相場展開が続きそうだ。しかし、政策金利が7.0%に据え置かれていることもあって、高金利を反映した投資から、下振れリスクは大きくないだろう。

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*予想レンジ:5.85円~5.95円


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