【 白金、上昇基調が強まる可能性】
*週明けのNY白金は950ドル台に浮上した。先週は、白金最大の生産国である南アフリカの格下げが懸念されるため下方リスクが高いとしたが、格下げはされたものの、白金相場への影響は軽微だった。

24日、米格付け会社S&P社は、南アフリカの自国通貨建て債務格付けを1段階引き下げて投機的水準の中で最も高い「BB+」にすると発表した。格付け見通しは「ステーブル(安定的)」とした。従来の格付けは「BBB-」。外貨建て債務格付けについても「BB」に1段階引き下げた。また、格付け会社ムーディーズも格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。

発表直後こそ南アランドは急落したものの、その後は持ち直している。格下げは予想されていたため、大きな弱材料にはならなかったのだろう。

それよりも白金市場では、来年の需給が強材料視されているようだ。南アフリカの白金生産団体であるワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は21日公表した四半期リポートで、2018年の白金市場について、供給不足が大幅に拡大すると予想した。

宝飾品や産業需要が高まる一方、生産量は減少するとみている。予想では、2018年は27.5万オンスの供給不足と、2017年の1.5万オンスの供給不足から不足幅が拡大する見通し。予想通りなら6年連続の供給不足となる。地上在庫は2018年中に160.5万オンスまで減少する見込み。

2018年の白金需要は前年比2%増の803万オンス。2017年は6%減の784.5万オンスの見通し。白金需要の4割以上を占める自動車触媒需要は前年比1.0%減となる見込みだが、2018年の宝飾品需要は3.0%増に転じるとみられている。生産量は、全供給量の半分以上を占める南アフリカの鉱山閉鎖の影響で、2017、18年ともに前年比1.0%減と予想されている。

*CFTC建玉11月21日時点:ファンドの白金買い越しは2万6521枚(前週比+1045枚)と増加。総取組高は7万7941枚と前週比1033枚の減少。

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*今週の予想レンジ:3350~3450円

*白金と金の逆ザヤ幅は9月27日に-1306円まで拡大し過去最大となった。白金の割安感が強く、買戻しが断続的にはいっている。ファンドの買いも増加傾向にあり、逆ザヤが縮小していく可能性が出てきたようだ。


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