【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は反発した。10月の貿易収支は73.2億ドルの赤字となり、予想の74.0億ドルの赤字を下回り、前回の81.4億ドルの赤字も大きく下回った。トルコ中銀は、通貨リラの下落に対して介入を行うと言明し、市場を牽制した。

これを受けて、トルコリラは買い戻されて反発に転じた。格付け会社S&P社は、トルコ中銀が高インフレに対応できない場合、格付けの引き下げを示唆した。11月の経済信頼感指数は97.9と先月の101.4から3.4%低下した。11月の消費者信頼感指数、製造業信頼感指数もそれぞれ低下した。

*今週のトルコリラ円は、上値の重い展開になりそうだ。米国に捕らえられているイランとトルコの二重国籍を有するレイ・ザラブ氏の裁判が4日から開始される。ザラブ氏は、すでにトルコ国有銀行ハルクバンクの幹部などがマネーロンダリングに関わったことや、エルドアン大統領のイランへのマネーロンダリング関与に対して自白しているという。米当局が対イラン制裁違反で起訴したのは9人で、ハルクバンク幹部のほかにトルコの元経済相も含まれている。

トルコの新聞では、トルコの銀行6行が数十億ドル相当の罰金支払いを求められる可能性があると伝えている。今回の裁判結果次第では、トルコ国内への反響が大きくなる可能性もある。また、海外の投資資金に依存しているトルコ経済への影響も懸念される。もっともエルドアン大統領は、トルコを苦境に陥れるための陰謀と一蹴しているが。

週明け4日に発表された11月消費者物価指数(CPI)は前年比+12.98%と予想の+12.5%、前回の11.9%を上回った。今月14日にはトルコ中銀理事会がある。インフレ率上昇に対処する適切な利上げが望まれるところ。

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*予想レンジ:28.00円~29.50円


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