【南アランド円相場、今週の展望】
*先週の南アランド円は下落した。昨年12月18日の与党・アフリカ民族会議(ANC)議長(党首)選で改革派のラマポーザ副大統領が勝利したことを受け、南アランド円は急騰した。その後も、ズマ大統領が早期辞任するとの噂を受けて、押し目が買われる展開が続いたが、ANC事務局長が「ANCの会合では、ズマ大統領の退陣に関しての話し合いはなかった」と発言したことを受けて、南アランドは下落に転じた。11日に発表された11月の製造業生産は+0.9%と、市場予想の-0.1%や前回の+0.7%を上回った。

*今週の南アランド円は、軟調な展開になりそうだ。ズマ大統領の任期は2019年まであるが、今週17日にはANC会議が開催され、ズマ大統領の早期辞任について話し合いが行われる可能性がある。ただ、ズマ大統領や息子のビジネスに関する不正問題も懸念されている状況で、簡単に辞任するとも思えず、去就が明確になるまで南アランドは上値の重い展開が続くだろう。

経済面では、ラマポーザ新議長の下で財政健全化や汚職撲滅に向けた有効な政策が打ち出されるかが注目されよう。新議長がズマ大統領へ辞任を迫る一方、2月発表の新年度予算で財政再建を打ち出せば、大手格付け機関による格下げが見送られる可能性があるだろう。

ただ、南アフリカの経済情勢は厳しく、悪化した財政状況は容易に解決できないとの見方が強い。一方、ドル安を受けて金や白金価格が上昇しているが、これは南アランドをサポートしよう。今週は、17日に11月小売売上高が発表される。18日には南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)政策決定会合が開かれる。政策金利は、6.75%に据え置がれる見込み。

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*予想レンジ:8.85円~9.05円

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