【南アランド円相場、先週の動き・今週の展望】
*先週の南アランド円は、大幅上昇となった。欧州中央銀行(ECB)によるフォワードガイダンスの早期変更見通しやドイツの連立政権樹立の可能性から、ユーロが上昇し、ドルが売られたことで、南アランドは買われた。11月小売売上高は前月比で+4.0%と、前回発表値のー0.1%を大幅に上回り、5年ぶりの伸びを記録したことが好感された。18日、南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は政策金利を市場の予想通りに6.75%に据え置いた。金や白金価格の上昇もあって、対ドルでは2015年6月以来の水準まで上昇した。

*今週の南アランド円は、上値が重くなりそうだ。南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)による政策金利据え置きが好感されて、南アランドは上昇したが、これに加えて、アフリカ民族会議(ANC)の幹部会議で、ズマ大統領に退陣すべきとの意見が出たことも好感されたようだ。しかし、次期大統領と目されているラマポーザANC議長が、ズマ大統領の進退問題は今後時間をかけて対応するという考えを示したため、数週間以内の退陣を期待していた市場では失望感が広まった。ズマ大統領の任期は2019年まであり、ANCにはズマ大統領支持者もまだ多数いることから、ズマ大統領が素直に退陣するとも思えない。期待先行で買われてきた反動から南アランドが下落する懸念もある。

先週開催された南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)理事会後の会見で、クガニャゴSARB総裁は、南アランドは、当面の間は政局に敏感な動きになり、政府の財政への取り組み次第で、格下げリスクはまだ残るとした。一方、短期的なインフレは目標レンジの中間で維持されており、原油高にもかかわらず、インフレ見通しは改善する見込みとした。そして、経済成長の見通し達成には努力が必要で、好調な見通しの要因は、南アランド高と電力価格の低下と思われるとした。

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*予想レンジ:8.95円~9.25円


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