1月25日(木)
【1月24日の海外相場および市況】
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*24日のNY外国為替市場では、ドル安容認と受け取れるムニューシン米財務長官の発言などを受けて、ドル売りが加速し、一時は昨年9月上旬以来約4カ月半ぶりに108円台に急落した。世界経済フォーラム年次総会に参加するためスイス東部ダボスを訪問中のムニューシン米財務長官が、貿易拡大を目指す上で「弱いドルは良いこと」と発言したと伝わった。これを受けて、対主要通貨でドル売りが活発化し、円も一段高となった。昨年12月の米中古住宅販売件数が市場予想以上に減少したこともドル売りに拍車を掛け、一時108円97銭の安値を付けた。トランプ大統領は前日、家庭用洗濯機と太陽光発電パネルの輸入が急増した結果、米企業が損害を被っているとして、緊急輸入制限(セーフガード)の発動を命じる文書に署名。米国が保護貿易主義に傾き、ドル安を容認する姿勢に転換したのではないかとの思惑もあって、ドル買い・えん売りが継続した。本日は、欧米時間はECB理事会とドラギ総裁の会見のほか、1月独IFO景況感指数、米週間新規失業保険申請件数、12月米景気先行指数、12月米新築住宅販売件数が発表される。

*24日のNY金は続伸し、1年5カ月ぶりの高値をつけた。ドル安・ユーロ高の進行に伴う割安感から買われた。この日、ムニューシン米財務長官が「弱いドルはわれわれにとって良いこと」と発言したことを受け、ドル売りが加速した。また、昨年12月の中古住宅販売件数が季節調整済み年換算で前月比3.6%減と、市場予想の2.2%減を下回るさえない内容だったことも、安全資産とされる金には支援材料となった。トランプ米大統領は26日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で講演を行う予定だが、市場関係者は大統領が講演で、一段と保護主義的な姿勢を示すか警戒している。NY白金はドル安を受けて続伸。

*24日のNY原油は3日続伸し、3年1カ月ぶりに65ドル台を回復。米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した19日までの1週間の米原油在庫は前週比110万バレル減と10週連続で取り崩しとなった。在庫は4億1160万バレルと、2015年2月以来の低水準にとどまった。減少幅は市場予想の160万バレル減をやや下回ったものの、ほぼ市場予想通りとの見方から、米国内の供給過剰懸念が後退して買いが入った。一方、石油製品在庫はガソリンが310万バレル増(予想は250万バレル増)、ディスティレート(留出油)が60万バレル増(同150万バレル減)と積み増したものの、売りは限定的だった。さらに、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に参加するためスイスを訪問中のムニューシン米財務長官が「弱いドルはわれわれにとって良いこと」と発言したことを受け、ドルがユーロなど主要通貨に対して下落が加速し、ドル建て原油に割安感が強まったことも買い要因となった。

*24日のシカゴトウモロコシはドル安を受けて反発。シカゴ大豆は、ドル安とアルゼンチン産地の乾燥を背景に8日続伸。

*24日のNYダウは小反発。米長期金利の上昇を受けて利ざや拡大期待から金融株に買いが集まった。ムニューシン財務長官はこの日、訪問先のスイス東部ダボスで開いた会見で、貿易の拡大のために「弱いドルは良いこと」と発言。同席したロス商務長官も貿易不均衡の是正に積極的な姿勢を示した。米国が保護主義的な傾向を強めるとの警戒感が広がった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
18:00 (独) 1月Ifo景況感指数 117.2 117.0 --
18:00 (ノルウェー) 中銀政策金利発表 0.50% -- --
18:30 (南ア) 12月生産者物価指数 (前年比) +5.1% +5.2% --
21:45 (EU) 欧州中銀金融政策発表 0.00% -- --
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 22.0万件 23.5万件 --
22:30 (加) 11月小売売上高 (前月比) +1.5% +0.8% --
   (加) 11月小売売上高 (前月比:除自動車) +0.8% +0.9% --
22:30 (米) 12月卸売在庫 (前月比) +0.8% +0.4% --
24:00 (米) 12月新築住宅販売件数 73.3万件 67.5万件 --
   (米) 12月新築住宅販売件数 (前月比) +17.5% -7.9% 
*数字は前から順に、前回・予想・結果

第149回 『おしえて陳さん』 
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