【 東京金は反落、調整安場面へ】
*先週のNY金はドル安を受けて上昇した。つなぎ予算法案が可決されたものの、英国のソフトブレグジット観測によるポンド買いや、良好な欧州経済指標を受けたユーロ買いを受けてドル売りが強まった。また、トランプ政権による家庭用洗濯機などの緊急輸入制限発動で保護主義への警戒が強まったことや、米特別検察官がロシア疑惑で司法長官を聴取したとの報道もドル売り要因になった。
24日には、ムニューシン財務長官が「弱いドルはわれわれにとって良いこと」と発言したことを受け、ドル売りが加速したため、ドル建て金は割安感が強まり、上昇基調を強めた。
ただ、25日にはスイスのダボスを訪問中のトランプ大統領が、米CNBCテレビのインタビューで、ドルについて「より強く、さらに強くなる。最終的に強いドルを望んでいる」と言及すると、ドルが急反発したため、金相場は週末にかけて利益確定売りが優勢となり、上値を削った。
不安定なドル相場を受けて、金ETFは増加していたが、850トンを越えることはできず、堅調な株価を反映して、846トン台に留まった。
今週は、30日にトランプ大統領の一般教書演説、31日には米連邦公開市場委員会(FOMC)、2月2日には1月米雇用統計といったビッグイベントがあうため、市場は様子見姿勢を強めそうだ。NY金は調整安場面に入ると予想する。
*NY金予想レンジ=1320~1350ドル
*CFTC建玉1月23日時点:ファンドの金買い越しは21万4684枚(前週比+8647枚)と増加。総取組高は58万2421枚と前週比88枚の増加。
*先週の東京金は、4750円を挟んでの保ち合いとなった。今週は、30日にトランプ大統領の一般教書演説、31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。先週は、米政権閣僚の発言が響いてドル、債券、株式が乱高下したことから、一般教書演説では、ドルあるいは貿易政策へ言及するかどうかが注目される。
また、トランプ大統領が演説の中で、法人減税を柱とする抜本的な税制改革の実現などを強調する見込みで、大型減税を背景に景気が過熱するのではないかとの見方が強まれば、利上げペースが速まるとの見方から、米長期金利が上昇し、ドルが買われ、NY金は下落基調が強まる可能性がある。ただ、円安となれば東京金にはサポート要因となることから、押し目形成後は反発に転じよう。
NY金がドル安を背景に1.36%上昇したにもかかわらず、東京金は、ドル円が1.69%も下落したため、わずか0.23%の上昇に留まった。先週末からNY金は上値が重くなり、調整安場面に入ったが、週明けも円高基調は継続し、東京金は4700円を割り込む展開となった。テクニカル的には、25日移動平均線を下回ったため、下落基調が強まる可能性が高い。ボリンジャーバンドの-2σ=4620円、もしくは相対力指数(RSI)が30%を割り込むレベルまで、下落基調は続きそうだ。
*東京金予想レンジ:4650~4750円。
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