【VIX(恐怖指数)】
VIX(Volatility Index)とは日本語で「恐怖指数」と言われている。これは、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出、公表している指数。

投資家心理を示す数値で、一般的にVIXの数値が高いほど投資家が相場の先行きに不安を感じているとされる。平穏な状況では、10から20の間で推移することが多いが、何か突発的にネガティブな材料が出現した時に、数値が大きく上昇する傾向がある。

過去の例で言えば、9.11事件、中東戦争、リーマンショックの時に急騰した。

さて、2月2日に発表された1月の雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月比20万人増と、市場予想の18万人増を上回り、失業率も4.1%と4カ月連続で低水準を維持した。物価上昇の先行指標として注目される平均時給は前年同月比2.9%増と予想の2.6%増を上回った。

良好な結果ながら、賃金上昇からインフレ懸念が高まり、利上げペースが加速するとの見方が強まった。


米長期金利は2.8%を越え、金利急騰を嫌気して、5日のNYダウは一時1157ドルも下落し、史上最大の下げ幅を記録した。

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これを反映してVIXは2日の17.31から5日には37.32まで115%も急騰し、6日には一時50.3の高値をつけた。

8日、米議会は連邦政府予算の歳出上限を、今後2年で計3000億ドル(約33兆円)積み増す案で合意した。既に1.5兆ドルの大型減税を決定しているが、国防費やインフラ投資を大幅に増やすため、財政赤字の拡大が懸念され、米長期金利はさらに上昇するとの見方が高まった。

8日のNYダウは、金利上昇が嫌気されて1032ドル安で引けた。

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「経済のファンダメンタルズは健全」というが、市場の不安心理は、まだ落ち着きそうにない。
VIXは果たして、どのレベルで落ち着くのか。


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