3月15日(木)
【3月14日の海外相場および市況】
ny0315

*14日のNY外国為替市場では、トランプ政権による強硬な対中通商政策に警戒感が広がり、安全資産とされる円買いが優勢となった。2月米小売売上高は前月比0.1%減と、市場予想の0.3%増を下回った。反面、2月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想の0.1%上昇を上回った。ただ、経済指標はあまり影響しなかった。トランプ政権が中国から輸入する家電製品や通信機器などを対象に年間最大600億ドルの関税適用を検討しているとの報道や1000億ドルの対中貿易赤字削減を求めるとの報が伝わると、安全通貨である円が買われ、ドルは下落に転じた。米国の強硬姿勢に対して中国も報復の構えを見せており、市場は「貿易戦争」に発展する可能性を警戒し、リスク回避姿勢から、ドル円は一時106円07銭まで下落した。本日の東京時間は、黒田日銀総裁が午後の参院財政金融委員会に出席。午後1時過ぎから50分程度。欧米時間は2月米輸出入物価指数、米週間新規失業保険申請件数、3月NY州製造業景況指数などが発表される。

*14日のNY金は反落。為替市場でドルが対ユーロで強含んだことを背景にドル建て金に割高感が生じたため、金は売りに押された。ただ、相次ぐ閣僚や高官らの退任でトランプ政権の先行きに不透明感が広がる中、米中間の貿易摩擦激化に対する懸念も再燃して、リスク回避姿勢が強まったことから、安全資産として金は買われ、下値は限定的だった。2月米小売売上高は前月比0.1%減と、市場予想の0.3%増を下回った。反面、2月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想の0.1%上昇を上回った。NY白金は金に連れて反落。

*14日のNY原油は3日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)がこの日公表した月報によると、2月の加盟国の産油量は前月比で日量0.2%減となった。ただ、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で、最新週の国内原油在庫が前週比500万バレル増と、市場予想の200万バレル増を大きく上回り、3週連続で積み増しとなったことが嫌気された。しかしその後は、為替市場でユーロが対ドルで反転上昇したことなどをきっかけに原油は割安感から買い戻され、プラス圏に浮上した。

*14日のシカゴトウモロコシは新規の買い材料に乏しく反落。シカゴ大豆は米国の作付け拡大見通しと中国の報復関税が懸念されて反落。

*14日のNYダウは3日続落。先週8日、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置の発動を決定したトランプ政権が、通商問題で一段と強硬姿勢に出ていることが嫌気された。中国からの輸入に年間で最大600億ドルの関税適用を検討していると報道。対米主要輸出品である家電製品や通信機器などがターゲットとなり、来週にも方針が発表される可能性があるという。中国の反発は必至で報復の応酬となる「貿易戦争」に発展するとの懸念が高まった。また、政権内で「国際協調派」とされるティラーソン国務長官の退任が決まったことも保護主義への傾斜に拍車が掛かるとの見方が強まった。また、2月米小売売上高が、前月比0.1%減と3カ月連続のマイナス。0.3%増とプラスを見込んだ市場予想に反する弱い結果も嫌気された。


【15日の経済指標】
06:45 (NZ) 10-12月期GDP (前期比) +0.6%
      (NZ) 10-12月期GDP (前年比) +2.7%
16:00 (トルコ) 12月失業率 10.3%
17:30 (スイス) スイス中銀政策金利発表 -0.75%
21:30 (米) 3月NY連銀製造業景況指数 13.10 15.00
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 23.1万件
21:30 (米) 3月フィラデルフィア連銀製造業指数 25.8 22.0
21:30 (米) 2月輸入物価指数 (前月比) +1.0% +0.2%
23:00 (米) 3月NAHB住宅市場指数 72 72
29:00 (米) 1月対米証券投資 +273億USD


第156回 『おしえて陳さん』 
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