3月20日(火)
【3月19日の海外相場および市況】
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*週明け19日のNY外国為替市場では、20、21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、ポジション調整から、ドルが買い戻され、ドル円は106円台前半に浮上した。米長期金利の低下やNYダウの反落を背景に一時105円78銭まで下落したが、FOMCの開催を控えてポジション調整の買い戻しが入って反発に転じた。FOMCでは追加利上げ(1.50%⇒1.75%)の決定が確実視されているが、市場は利上げペースが注目されている。パウエルFRB議長は2月下旬、就任後初となる議会証言に臨み、「さらなる緩やかな利上げが最善」と強調。市場はタカ派的と受け止め、利上げスピードが加速するとの思惑が強まった。政策金利見通しが昨年12月時点の年3回から年4回に上方修正されるのか、またパウエル議長が経済や物価見通しに強気な姿勢を改めて示すのかが、市場の最大の関心事になる。今日は東京時間は若田部、雨宮日銀副総裁が就任会見を行う見通し。欧米時間はFOMCが2日間の日程で開催されるほか、2月英消費者物価指数、3月独ZEW景気期待指数が発表される。

*週明け19日のNY金は4日ぶりに反発。20、21日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の0.25%引き上げがほぼ確実な上、経済・金利見通しでは利上げペースの加速が示されるのではないかとの観測も強く、金利を生まない資産である金には売り圧力がかかる可能性がある。しかし、NYダウの下落を受けて安全資産である金を買う動きが活発化した。2016年の米大統領選でトランプ陣営が使った選挙コンサルティング会社がフェイスブック(FB)利用者5000万人超の個人情報を不正に入手していたとの報道が嫌気されたようだ。また、ドル安・ユーロ高が進んだこともドル建て金の割安感につながり、一時1319.60ドルまで上昇する場面もあった。NY白金は4日ぶりに反発。

*週明け19日のNY原油は、NYダウの下げ幅拡大が嫌気されて4日ぶりに反落した。2016年の米大統領選でトランプ陣営が使った選挙コンサルティング会社がフェイスブック(FB)利用者の個人情報を大量に不正入手していたとの報道が嫌気されて、NYダウは大幅下落となり、リスク回避姿勢が強まった。また、16日に公表された最新週の国内石油掘削リグ稼働数が前週比4基増の800基だったことも下押し要因となった。ただ、サウジアラビアのムハンマド皇太子が米CBSテレビとのインタビューで、対立するイスラム教シーア派大国イランが核兵器開発に成功すれば、サウジも直ちに追随する考えを表明した。国交を断絶しているサウジアラビアとイランとの間で一段と緊張が高まれば、原油供給の停滞につながりかねないとの懸念から相場の下値は限定的だった。

*週明け19日のシカゴトウモロコシは4日続落。小麦と大豆の下落になびいた。シカゴ大豆は反落。アルゼンチンでは干ばつ被害を受けて農作物の生育が阻害されていたが、最近の降雨により収穫高が安定するとの見方が強まった。

*週明け19日のNYダウは、フェイスブックの急落をきっかけにリスク回避ムードが強まり、大幅反落した。主要な米経済指標の発表はなかったものの、2016年の米大統領選で、トランプ陣営と関わりがあったコンサルティング会社が5000万人超のフェイスブック利用者の個人情報を不適切に保持していたとの報道が嫌気された。トランプ政権の主要閣僚の交代が続く中、さらなる人事刷新が行われるとの観測が広がっているほか、中国に対する新たな関税措置が近く発表されるとの警戒感も押し下げ要因となった。


【20日の経済指標】
09:30 (豪) RBA議事録
16:00 (独) 2月生産者物価指数 (前年比) +2.1%
17:00 (南ア) 10-12月期経常収支 (対GDP比) -2.3% -2.2%
18:30 (英) 2月消費者物価指数 (前年比) +3.0%
18:30 (英) 2月生産者物価指数 (前年比) +2.8%
18:30 (英) 2月小売物価指数 (前月比) -0.8%
      (英) 2月小売物価指数 (前年比) +4.0%
19:00 (独) 3月ZEW景気期待指数 17.8
19:00 (EU) 3月ZEW景気期待指数 29.3
24:00 (EU) 3月消費者信頼感・速報 0.1

第157回 『おしえて陳さん』 
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