3月22日(木)
【3月21日の海外相場および市況】
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*21日のNY外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策決定を発表した後、年内の利上げペースが緩やかにとどまるとの観測が強まり、ドル売り・円買いが進行し、ドル円は106円近辺に下落した。FRBが利上げ(1.50%⇒1.75%)決定を発表すると一時的にドルが買われ106円50銭台まで反発したが、今回の利上げ自体予想の範囲内だったことに加え、年内の利上げ想定回数に関しても従来の3回が維持されるとの見通しを受けて、利上げペースは加速しないとの見方から、ドル売り・円買いに転じた。本日のドル円相場は、FOMCの結果を受けて上値の重い展開となりそうだ。東京市場ではすでに106円を下回っている。4回の利上げを期待していた向きの失望売りが上値を抑えている。トランプ大統領は22日にも中国に対する貿易制裁の発動を決める。年500億ドル(約5兆3000億円)規模の関税を適用する見通しで、こうした保護主義的な動向もドルには弱材料となろう。今日の東京時間は、2月豪雇用統計が発表。欧米時間は3月独IFO景況感指数、英中銀の金融政策委員会などが予定される。

*21日のNY金は反発。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策決定を控えて、ドルが対ユーロで下落し、ドル建て金は割安感から買われた。引け後にFRBが発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、政策金利を0.25%引き上げて1.75%とした。今年の利上げ想定回数は3回が維持され、金利を生まない金には買いが入り、一時上げ幅を拡大した。電子取引は10ドル強上昇し、1332.5ドル近辺で推移している。NY白金は金に連れて反発。

*21日のNY原油は、米エネルギー情報局(EIA)の週報で原油在庫が取り崩しとなったことや、中東情勢をめぐる地政学的リスクなどを背景に続伸。前日発表された米石油協会(API)による最新週の原油在庫は、市場の積み増し予想に反して取り崩しとなっていた。この日発表されたEIA週報でも、最新週の原油在庫が前週比260万バレル減と、260万バレルの積み増し予想に反して取り崩しとなったため、節目の65ドルを突破した。石油輸出国機構(OPEC)は、協調減産の順守率が2月に過去最高を達成した。一方、米国が核合意に基づいて解除された対イラン制裁を再発動する可能性が不安視されている。ある調査によると、米国が制裁再発動に動いた場合、イランの原油輸出量は年末時点で日量25万〜50万バレル減少するという。

*21日のシカゴトウモロコシは買戻しを受けて6日ぶりに小反発。シカゴ大豆は続伸。

*21日のNYダウは、米国の利上げペースが加速するとの警戒感から反落した。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き上げ、年1.50〜1.75%にすることを決定。今年の利上げ回数については、昨年12月時点の想定である年3回を据え置いた。一方、前会合時に比べて年4回とする参加者の数が増えたほか、来年の見通しも引き上げられたため、利上げペース加速への警戒感が広がった。また、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で、複数の参加者がトランプ政権による保護主義的な通商政策に対する懸念を示したと説明。貿易摩擦激化で企業業績が悪化することへの懸念から、輸出関連株を中心に売りが出た。


【22日の経済指標】
09:30 (豪) 2月就業者数 +1.60万人
09:30 (豪) 2月失業率 5.5%
17:30 (独) 3月製造業PMI・速報 60.6
17:30 (独) 3月サービス業PMI・速報 55.3
18:00 (EU) 3月製造業PMI・速報 58.6
18:00 (EU) 3月サービス業PMI・速報 56.2
18:00 (独) 3月Ifo景況感指数 115.4
18:30 (英) 2月小売売上高 (自動車燃料含む:前月比) +0.1%
20:00 (南ア) 1月小売売上高 (前年比) +5.3%
21:00 (英) BOE政策金利発表 0.50%
21:00 (英) BOE議事録
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 22.6万件
22:00 (米) 1月住宅価格指数 (前月比) +0.3%


第157回 『おしえて陳さん』 
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