【南アランド円相場、先週の動き・今週の展望】
*先週の南アランド円は、ムーディーズによる格付け見直しの発表待ちながら底堅く推移した。南アの2月消費者物価指数は前年比で+4.0%と、市場予想の+4.2%を下回った。10-12月期の経常収支は対国内総生産(GDP)比で-2.9%となり、市場予想の-2.1%よりも経常赤字が拡大した。経常赤字の拡大はアフリカ民族会議(ANC)の議長選挙でラマポーザ現大統領が当選し、南アランドが対ドルで20%近く上昇したことで、ランド高が輸入増加を加速させたことが要因だった。

*今週の南アランド円は堅調に推移しそうだ。市場が注目していた格付け会社ムーディーズによる南アフリカの格付けは、市場の予想に反して据え置きとなり、見通しは「ネガティブ」から「安定的」に引き上げられた。ラマポーザ新大統領のもと、国政状況が徐々に回復し、付加価値税(VAT)の導入によって財政状況の改善が期待できることが背景にあったようだ。ただ、ムーディーズ社は、政治政策の不確実性を改善することが、格付け維持の条件として警告している。見通しが「安定」への引き上げられたことで、投資適格級として安全性が示され、シティグループの世界国債インデックス(WGBI)から除外されることがなくなった。

今週は28日に南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)理事会が開催される。予想では政策金利を0.25%引き下げる公算が大きい。これによって、付加価値税(VAT)による増税の影響が和らげられる見込み。SARBは昨年7月に政策金利を0.25%引き下げて6.75%とした。3月の会合で利下げすれば、2019年末まで金利を6.50%に据え置くとの見通しが出ている。今回の利下げは市場に好感され、南アランドを押し上げる可能性がある。

【南アフリカ経済指標】
3月27日火曜日
20:00 第4四半期非農業部門雇用者前年比 前回-0.9%

3月28日水曜日
南ア中銀政策金利 前回6.75% 予想6.50%

3月29日木曜日
18:30 2月生産者物価指数前年比 前回+5.1% 予想+5.0%
21:00 2月財政収支 前回-413億ZAR   
21:00 2月貿易収支 前回+277億ZAR

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*予想レンジ:8.90円~9.20円

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