【ドル円相場、今週の展望】
今週のドル円は、戻り売り優勢の展開が続きそうだ。週明け26日の東京市場のドル円相場は、月末・期末の実需のドル買い一時105円台を回復した。先週から104円台では本邦個人投資家のドル買いも入り、やや底堅さを見せている。ただ、トレンドは依然としてドル安・円高で、ドル円の戻りは売りが優勢となろう。ドル円は国内の政治リスクや「貿易戦争」懸念を材料に売りやすくなっている。心理的節目の105円を割りこんだことでテクニカル的にも悪化している。弱材料が重なれば103円台への急落も想定される。一方、貿易摩擦への懸念が後退し、世界的に株価が回復すれば、106円台への戻り場面があるかもしれない。

先週21日、米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ(1.50%⇒1.75%)が決定され、今年の利上げ回数は12月時と同じ3回が想定されたが、来年と再来年の利上げペースに関しては加速が示唆された。長期的にはタカ派的な見方になったが、市場は年内の利上げペースに関心を集めており、FOMC終了後はドル売りが優勢となった。トランプ大統領は22日、中国製品に対し最大600億ドルの関税を課すことを決定した。さらにマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任し、対外強硬派のジョン・ボルトン氏を後任に充てた。市場のリスク回避的な動きが強まり、ドル円は東京時間に一時104円63銭まで下落し、1年4カ月ぶりの安値を付けた。これに対し中国側も報復措置を決定し、米国債の売却を仄めかすなど「貿易戦争」激化が懸念され始めている。ムニューシン財務長官は25日、トランプ大統領は姿勢を軟化させるつもりはなく、貿易戦争も恐れていないと語った。

日本では27日、財務省による決済文書書き換え問題について、佐川前国税庁長官の証人喚問が行われる。麻生太郎財務相や安倍晋三首相の責任問題に発展し、アベノミクス継続が危惧されれば株価が下落し、円高が進行する可能性が高まるだろう。チャート的には101円台まで目立った節目がないため、ファンドの売りが活発化する可能性がある。一方、節目の105円を割り込んだことで、本邦個人投資家のドル買いが入ってきているようだ。国内の機関投資家や実需筋などのドル買いも期待されている。しかし、米中貿易戦争の落とし所が見えてこない以上、ドル買いにも限界があり、ドル円は戻り売りが優勢となろう。

*CFTC建玉3月20日時点:ファンドのドル買い・円売りは2万1999枚(前週比-5万7540枚)と大幅減少。総取組高は16万0250枚と前週比11万9421枚の大幅減少。ファンドのドル買いポジションは大幅に減少し、先週の105円前半から105円割れでは、本邦個人投資家のドル買いがかなり入った可能性がある。今後、ファンドが新たなドル買いポジションを構築するのか、あるいはドル売りに転じていくのか注目される。


<主なイベント・経済指標>
*26日は米2年債入札、27日は日本・佐川前国税庁長官証人喚問、米国3月消費者信頼感指数、米5年債入札、28日は米国第4四半期GDP、米国2月中古住宅販売成約、29日は米国2月個人所得、米国2月個人支出、新規失業保険申請件数など。なお、30日の米国市場は休場(Good Friday)。

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*予想レンジ:103.00円~106.00円


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