【白金は金に連れ高か】
*先週の東京白金は下落した。金が株価の下落を受けて安全資産として買われるのに対し、白金は産業用貴金属のため、株安はマイナス要因となった。ただ、それ以上に市場は、白金最大の生産国である南アフリカに対する格付けに注目していた。

格付け会社ムーディーズは、昨年、南ア国債を格下げの方向で見直すとし、3月23日に発表するとしていた。すでにS&P社により格下げされていたため、ラマポーザ新大統領はこれを懸念し、新体制になってすぐに付加価値税(VAT)の導入を決定し、財政再建の道筋を示した。昨年第4四半期GDPが予想以上に加速していたことに加え、政治的な安定も考慮されて、格付けは据え置きとなり、見通しは「ネガティブ」から「安定的」に引き上げられた。これを好感して、週明けの南アフリカの通貨ランドは上昇し、白金相場も押し上げられた。

27日の東京白金は、前日比+1.9%も上昇し、3200円のサポートラインを確認した格好になった。米中の貿易摩擦の激化懸念も緩和される状況になる可能性が出てきたことも白金相場には追い風となろう。ただ、同じ白金族のパラジウム相場の上値が重くなっているため、白金相場の上昇も限定的か。金に連れ高となる展開が続きそうだ。

tkpt0327

*東京白金予想レンジ:3250~3350円。

*CFTC建玉3月20日時点:ファンドの白金買い越しは2万9071枚(前週比-4362枚)と減少。総取組高は7万8021枚と前週比1204枚の減少。

*白金と金の逆ザヤ幅は、2月23日に-1131円まで縮小していたが、白金相場の下落基調が強まり再び-1200円を下回った。逆ザヤ縮小は一休みだろう。-1200円を軸に保ち合いとなりそうだ。

saya0327


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。