【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。米国の景気は堅調で、先週公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、利上げペースが加速する可能性が示された。懸念材料が少なければ、約2カ月ぶりの108円台を試す可能性がある。しかし一方で、地政学リスクや貿易摩擦懸念を再び呼び起こすようなことあれば106円台への下落も考えられる。

トランプ米大統領は13日夜(日本時間14日午前)、シリアのアサド政権が同国の首都ダマスカス近郊・東グータ地区で化学兵器を使用したと断定し、米軍に化学兵器関連施設への精密攻撃を命じた。英国、フランスとともに米東部時間午後9時から複数の施設に対する攻撃を実施した。化学兵器使用を理由にした同政権への攻撃は昨年4月に次ぎ2回目となる。シリア攻撃では3つの標的に105発のミサイルが発射され、アサド政権の化学兵器使用の能力が大幅に低下したという。米国防総省は14日、シリア攻撃について、シリア軍やロシアからの本格的な反撃もなく、アサド政権が化学兵器を再度使用する能力を後退させたと発表した。トランプ大統領は攻撃の成果に関して「任務は完了した」とツイート。攻撃が「完璧に実行された」と述べた。英国のジョンソン外相もシリアの化学兵器関連施設に対する攻撃は1回限りと述べ、地政学リスクは後退した。これを受けて、週明け16日の東京市場ではドル買い・円売りが先行し、107円台半ばで推移した。

ただ、シリア、ロシア、イランは激しく反発しており、中東の地政学リスクが後退したわけでもなく、ドルをさらに買っていけるかどうかは不透明。さらに今週は日米通商交渉への懸念がドル円の重石になるだろう。今週は17、18日に日米首脳会談が行われる。米財務省は半期為替報告書を14日に公表し、日本を引き続き「監視リスト」に指定した。監視リストは経済制裁などは伴わないものの、通貨安誘導を牽制する狙いがある。

トランプ大統領は12日のツイッターで「日本は長年にわたって通商でわれわれに大きな打撃を与えている」と不満をもらしている。トランプ大統領は、日本を輸入関税賦課の対象国に入れていることで貿易不均衡是正圧力をかける可能性が高いだろう。日銀短観3月調査の2018年度の想定為替レート109.66円だったことで、ドル円がこの水準を下回っている限り、本邦輸出企業からのドル売り圧力も継続しよう。

*CFTC建玉4月10日時点:ファンドのドル売り・円買いは2761枚(前週比-811枚)とわずかに減少。総取組高は15万1202枚と前週比2384枚の増加。ファンドは方向性に迷っているようだ。今後、ドル売り・円買いポジションを拡大させていくかどうか注目される。

<主なイベント・経済指標>
*16日は米3月小売売上高、17日は米3月住宅着工件数、米3月鉱工業生産、日米首脳会談、18日は米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、日米首脳会談、19日木は新規失業保険申請件数、米3月景気先行指標総合指数、20日はG20財務大臣・中央銀行総裁会議。

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*予想レンジ:106.00円~108.50円


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