【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。トルコリラは週明けからインフレ率の高留まりを嫌気して、対ドルで最安値を更新した。11日、トルコリラはドルとユーロに対して5日連続で最安値を更新した。

今月25日のトルコ中央銀行理事会では利下げの噂が出ていた。エルドアン大統領は、トルコの敵対勢力による経済的な攻撃によりリラ安がもたらされていると主張し、あくまでも金利低下を求める姿勢を変えなかった。

ユルドゥルム首相は11日、「中銀は金融政策の責任を負っている。今まで必要な措置を講じてきたし、これからもそれを続ける」と発言すると、リラはやや持ち直した。ただユルドゥルム氏は、中銀が具体的にどのような手段を取るかは明らかにしなかった。

同日発表されたトルコの2月経常赤字は過去最大の41億5200万ドルとなった。またゼイベック経済大臣も声明を出し、今のトルコリラ売りは投機的なもので経済に則していない、外国直接投資は増加し、外貨流入に問題はなく、急いで介入する必要はないとした。

*今週のトルコリラ円は、安値圏で低迷しよう。英米仏によるシリアへの軍事攻撃は1回だけのものとされ、地政学リスクはやや後退した。

しかし、トルコリラ安の根本原因である高留まりしているインフレ率に対して、トルコ中央銀行が有効な手立て(大幅な利上げ)を打たない限り、リラ安は継続しそうだ。悪いことに、今月25日のトルコ中央銀行理事会では、エルドアン大統領が利下げを求めているとの噂が出て、リラ安に拍車をかけた。

エルドアン大統領は、投資促進インセンティブを発表。これによると、トルコの23のプロジェクトに330億ドル投資し、経常赤字を190億ドル削減することを目指す。19の企業がこの支援を受け取るようで、16万9000人の間接雇用が生まれると推定されている。

またエルドアン大統領は、金利を下げないと投資が行われないとし、金利を引き下げる必要性を述べた。

一方、海外投資家はインフレやトルコの経常赤字拡大を懸念し、トルコ中央銀行が断固とした引き締め政策を打ち出して、リラを支えることを望んでいる。

13日、ジェミル・エルテム大統領顧問は、国営放送TRTハベルとのインタビューで、数日以内に為替レートに対して必要な措置を取ると述べ、トルコ中央銀行は引き続きインフレをターゲットとすると付け加えた。 さらに、第1四半期の経済成長率が7.4─7.5%になりそうだと述べた。通貨安に対する牽制だが、それが効果的なものでなければ投機筋の標的になる可能性があり、注意が必要だろう。

【トルコリラ経済指標】
16日月曜日
16:00 2月鉱工業生産前年比 前回+12.0% 予想+10.4%
16:00 1月失業率 前回10.4%

17日火曜日
20:30 2月住宅価格指数前年比 前回+10.27%

4月20日金曜日
G20財務大臣・中央銀行総裁会議
16:00 住宅販売[前年比]  前回-5.4%
16:00 消費者信頼感指数  前回71.31

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*予想レンジ:26.00円~27.00円


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