【 東京金は値固め局面か】    
*先週のNY金は堅調に推移した。シリア情勢を巡って、米国とロシアの関係が緊迫化し、地政学リスクへの警戒感から安全資産としての買いが入った。トランプ大統領は10日、シリアでの化学兵器使用疑惑への国連安保理の対応が不調に終わったことを受け、ロシアとイランが支援するアサド政権に対する軍事行動に向けて英仏両国との調整を本格化させた。ツイッターでは、「ミサイルが来るから、ロシアは備えろ」と警告。安全資産である金買いが活発化し、一時1369.40ドルまで上昇し、年初来高値を更新した。

一方、11日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、連邦準備制度理事会(FRB)当局者らが米経済の堅調を確認し、今後の利上げに前向きな姿勢を示したことが金の上値を抑えた。

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週末13日には、トランプ政権が近くシリア攻撃に踏み切るとの警戒が高まり、買い優勢で週を終えた。米英仏3カ国は13日夜(シリア時間14日未明)、シリア・アサド政権が化学兵器を使用したと断定し、武力行使に踏み切った。ただ、標的を化学兵器関連施設に絞ったため全体として大きな被害は出ず、米ロの軍事衝突は回避された。週明け16日は、地政学リスクは後退し、金は売りが先行したが、ドル安が進行したため、金は割安感から買いが入り、1350ドル台に戻した。

金は地政学的リスクが懸念されて上昇してきたが、米国の追加利上げ観測や、1月、2月、4月の高値となる1370〜1375ドルにテクニカルでの強い抵抗線があることから、上昇は抑制されている。保ち合いが続きそうだ。また、シリア情勢の不透明感を受けて、先週の金ETFは増加し、保有量は866トンと年初来の最大量となった。地政学リスクが払拭されない以上、ETF需要は継続しそうだ。

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*NY金予想レンジ=1330~1370ドル


*CFTC建玉4月10日時点:ファンドの金買い越しは15万5372枚(前週比-1万1217枚)と減少。総取組高は49万9588枚と前週比6447枚の増加。

*先週の東京金は上昇した。シリア情勢の緊迫化を受けて地政学リスクの懸念から金が買われた一方で、リスクオフ局面では通常売られやすいドルが底堅く推移したため、円安もサポート要因になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、更なる利上げが正当化され、段階的な利上げが同意されるとし、タカ派的な内容だった。報復的な貿易措置がダウンサイドリスクと認識されたが、米中貿易戦争は最悪事態が回避される見込みとなった。米英仏によるシリア攻撃も限定的で1回だけのものとなり、週明けの金融市場への影響は軽微だった。

米長期金利は2.8%台に反発し、ドル指数は下げ止まりから横ばいに転じている。東京金は4600円台を回復したものの、現在は材料待ちといったところ。調査会社トムソン・ロイターによると、米主要企業の純利益は18%増と7年ぶりの好業績が見込まれている。好調な企業業績を受けて、米株価の本格上昇が期待されるが、不透明なシリア情勢や米中貿易摩擦の展開次第では下落する可能性もあり、市場の懸念は払拭されていない。

何より、トランプ大統領がツイッターで何を言い出すかがわからない。こうした不安要因があるため、金の下値はサポートされよう。週明け16日、トランプ大統領は中国とロシアを名指し通貨安競争を仕掛けていると批判したため、ドルはユーロに対して一段安となりドル建て金は割安感から買われた。今週は日米首脳会談が行われる。通商・貿易問題に絡んでドル安が進行する場面があるかどうか注意が必要だろう。ドル円に絡んで東京金の展開が注目される。

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*東京金予想レンジ:4560~4660円。


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