【 白金は、円安を受けてジリ高か】
*先週の東京白金は上昇し、上昇率は金よりも高かった。米国が対ロシア制裁の一環としてロシアのアルミ生産大手UCルサールなど複数のロシア企業との関係解消を投資家に求めていた。ルサールと資本関係のあるノリリスク・ニッケルもその影響を受けるため、同社が生産しているパラジウムの供給に懸念が生じるとの見方から、NYパラジウムは、4月9日から19日までの12営業日で16.5%も急騰した。同じ白金族である白金もこの上昇に連れて買われたものの、今年の需給見通しが横ばいであるため、買いも限定的だった。

週明け23日は、米財務省が複数のロシア企業との関係解消を投資家に求める措置について、当初設定した関係解消の期限を延長した。この報を受けて、パラジウムの供給懸念が後退し、パラジウムは急落した。ただ、東京白金は円安を受けて3200円台前半で堅調だった。白金独自の材料に乏しく、金や白金の動向に左右される展開が続きそうだが、NY市場では、ファンドの買い越しが大幅減少し、年初来の水準にまで落ち込んだ。今年のピーク時は4万枚を越えていたが、内部要因的にはかなり身軽になったようだ。

国際商品指数のCRB指数が200ポイント台に乗せたことで、商品ファンドの買いが入る可能性もあり、白金は今後の出直りが期待される。

*プラチナの国際調査機関、ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)による2018年の需給見通しでは、産業用や宝飾品向けの消費が伸びる一方、自動車や投資向けが減少し、需要は前年比で横ばいになる見通し。一方、主産地の南アフリカで17年に一部の採掘コストの高い鉱山が閉鎖し、ロシアも精錬設備の改修で供給が減る見込みで、リサイクルを含む今年の世界供給は前年比2%減になる見通し。

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*東京白金予想レンジ:3200~3300円。

*CFTC建玉4月17日時点:ファンドの白金買い越しは1万7647枚(前週比-1353枚)と減少。総取組高は7万6193枚と前週比37枚の減少。

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*白金と金の逆ザヤは、4月12日に1424円となった。その後は売られ過ぎから縮小にむかっている。逆ザヤは1300円程度にまで縮小されそうだ。


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