【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。トルコ中央銀行は9日、通貨リラを防衛するため追加的な流動性措置を導入したと発表した。

外貨預金(売却)入札の規模を12億5000万ドルから15億ドルに拡大した。先渡し取引における外貨の売りポジションは53億ドルから71億ドルに増える可能性があるという。

エルドアン大統領はまた、通貨リラ安対策や経済動向を協議するため、政府の経済チームとの緊急会合を開き、金利を引き下げる措置を講じることで一致した。大統領府は声明で、「金利や為替相場に対する圧力を弱めるために必要な措置を講じる。より効果的にインフレの問題に対処する」と説明した。

エルドアン大統領が緊急会合を開くとの報道を受けて、通貨リラは上昇。異例の金融引き締め措置が議題に上る可能性があるとの期待が高まった。

しかし、エルドアン大統領が11日、金利の引き下げが必要との考えをあらためて示し、6月に前倒しした大統領選と議会選に勝利した場合、金利の「呪い」と闘うと語った。 この発言を受け、トルコリラは再び売り圧力を受けた。買い戻し一巡後は再び反落に転じた。

*今週のトルコリラ円は、上値の重い展開が続きそうだ。トルコリラは先週、最安値まで下落した後に急反発と大きく振れた。高いインフレ率、経済赤字の拡大、経済過熱と指摘される中での積極的な財政出動、格付け会社S&P社による格下げ等、弱材料に事欠かない状態にある。

エルドアン大統領が9日に開催した緊急会合で声明を発表し、「金利と為替レートにかかる圧力を和らげ、そしてインフレとより効果的に戦う措置を講じる。トルコ中央銀行はこれに関して自由に政策措置を使い続ける」と表明したものの、具体策は示されなかった。

市場は、トルコのインフレ抑制やトルコリラへの下落圧力を緩和するには、中銀による利上げが必要と見ている。そのため、高留まりしているインフレ率を引き下げるに十分な利上げを継続して行わない限り、トルコリラは戻り場面では売りが優勢となろう。


【トルコ経済指標】
14日月曜日
16:00トルコ3月経常収支 前回-41.5億USD  予想-41.0億USD

5月15日火曜日
16:00トルコ2月失業率 前回10.8%  予想10.8%

5月16日水曜日
ザラブ問題 HALKBANK元頭取アティラ氏判決

5月17日木曜日
20:30トルコ3月住宅価格指数前年比 前回+10.09%

5月18日金曜日
16:00トルコ4月住宅販売前年比 前回-14.0%


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*予想レンジ:24.50円~26.50円

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