【 白金は売られ過ぎの反動で反発か】
*先週の東京白金は下落した。白金独自の需給要因は弱い。英貴金属製錬大手ジョンソン・マッセイは14日、2018年の白金は供給過剰が強まるとの予想を発表した。鉱山からの供給が伸び悩む一方、自動車触媒や投資需要が大きく減少すると予想されている。

供給過剰量は2017年の約3.1トンから約9.8トンに拡大する見通し。白金は需要の4割をディーゼル車の排ガス触媒向けが占めているが、主力市場の欧州で、ディーゼル車は生産台数が減っているほか、技術革新の影響で1台あたりの使用量も減少する傾向にある。投資分野では日本の個人投資家による白金地金の購入が鈍るほか、世界の上場信託投資(ETF)需要も減ると予想、2017年比では3割減が見込まれている。こうした背景のもと、ドル高・金安を受けて白金も売りが優勢となった。

ただ、週明け21日のNY市場は大幅反発となった。これは原油高に伴い商品市況全般が上昇していること、パラジウムの急反発に連れ高となったこと、ファンドの買い玉が減少し、内部要因的に軽くなったことが考えられる。

ジョンソン・マッセイによると、パラジウムは約7.4トンの供給不足となる見通し。ロシアなど生産国からの供給は増えるが、需要の8割を占めるガソリン車向け需要が過去最高を更新すると予想されている。パラジウムには先高期待が強いため、同じ白金属である白金も連動して買われていく可能性は高い。

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*東京白金予想レンジ:3180~3280円。

*CFTC建玉5月15日時点:ファンドの白金買い越しは8196枚(前週比-2192枚)と減少。総取組高は8万0140枚と前週比271枚の減少。

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*白金と金の逆ザヤは、4月26日に1429円と過去最大幅を記録した。その後は売られ過ぎからやや縮小したが、再び拡大に向かっているようだ。


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