5月24日(木)
【5月23日の海外相場および市況】
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*23日のNY外国為替市場では、3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表された後も、海外市場からの円高・ドル安地合いが継続し、ドル円は110円台前半に下落した。トランプ大統領は前日、先週行われた対中通商協議の結果に不満を表明したことで、世界1、2位の経済大国による「貿易戦争」が回避されるとの期待が後退し、米朝首脳会談の開催にも不透明感が広がったため、海外市場では円買い・ドル売りが進行し、トルコリラの急落や米長期金利の低下なども重なって、一時109円台半ば付近まで下落していた。4月米新築住宅販売件数は3カ月ぶりに減少し、市場予想も下回った。FOMC議事要旨では、次回6月の会合での利上げを支持する参加者が多かったことなどが確認されたものの、利上げペースの加速を示唆するような文言がなかったことで一段のドル買いにはつながらず、ドル円は110円台前半で小動きに推移した。

*トルコ中央銀行は23日、主要政策金利のうち後期流動性窓口金利を13.5%から300ベーシスポイント(bp)引き上げ、16.5%とした。トルコリラ急落に歯止めをかけ、エルドアン大統領の介入を巡る投資家の信頼回復に向け、次回の政策決定会合(6月7日)を待たず、緊急利上げに踏み切った。トルコリラはこの日、過去最安値の4.9290リラを付けたが、政策決定を受けて上昇に転じた。

*23日のNY金は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えて小反落した。トランプ大統領が前日、17〜18日に行われた中国との通商協議の結果について「満足していない」との認識を示したほか、6月12日の米朝首脳会談が延期または中止となる可能性を指摘したことなどが支援要因となり、安全資産である金は一時12698.40ドルまで上伸した。しかし、心理的な節目の1300ドルを抜けなかったことで反落に転じた。3月開催分のFOMCの議事要旨公表を控えて、売りが優勢となった。ただ、トランプ大統領が最近の中国との通商協議の結果に関し、「満足していない」と表明したため、リスク回避の金買いが入った。また、イタリアで欧州連合(EU)懐疑派の「五つ星運動」と「同盟」の両党が首相候補に推薦したジュセッペ・コンテ氏が新首相に指名されたことも、金の支援要因になり、下落幅は限定的だった。引け後に公表されたFOMC議事要旨では、次回6月の会合での利上げを支持する参加者が多かったことなどが確認されたものの、利上げペースの加速を示唆するような文言がなかったことでハト派的と受け止められ、ドルが下落し、NY金時間外は反発。現在、+5.4ドルの1296ドルで推移している。NY白金は反落。

*23日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)の増産見通しや米エネルギー情報局(EIA)の在庫週報などを背景に続落。OPECがイランやベネズエラの減産懸念を理由に早ければ6月にも産油量拡大の決定を下す可能性があると報じた。この報道を受けて、需給引き締まり観測が後退したため、売りが優勢となった。OPEC諸国がイランとベネズエラの減産分をカバーするために増産するとの観測も相場を圧迫した。また、EIAが発表した週間在庫統計では、最新週の国内原油在庫が前週比580万バレル増と、市場予想の160万バレル減に反して大幅な積み増しとなっていた。また、ガソリン在庫も140万バレルの取り崩し予想に対して190万バレルの積み増し。米国内の供給過剰懸念が強まって下げ幅が拡大し、一時71.19ドルまで下落した。

*23日のシカゴトウモロコシは続伸し、9カ月半ぶりの高値を付けた。米中西部の悪天候で生産見通しに懸念が広がったことに加え、中国による飼料用穀物への需要が増加するとの期待が相場を押し上げた。シカゴ大豆は4日続伸。米中貿易摩擦が和らいだことを受けて、再び中国が米国産を買うとの期待が高まった。

*23日のNYダウは、米利上げ加速への警戒が和らぎ反発した。トランプ大統領は22日、前週開催された米中貿易協議について「満足していない」と発言。さらに23日朝には「これまでの協議とは異なる仕組みが必要だ。完了は困難で、その後の結果を検証できない」と懐疑的な見方を示し、下落が先行していた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月1、2日開催分)で、一部の参加者が「インフレ率が2%を一時的に上回っても『2%前後』とする物価目標に矛盾しない」と表明。市場はインフレが高進しても米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げペースを緩やかにとどめる姿勢と受け止めた。利上げ加速への警戒感が和らぎ、ダウは議事要旨公表後にプラス圏に上昇した。


【24日の経済指標】
07:45 (NZ) 4月貿易収支 -0.86億NZD
15:00 (独) 1-3月期GDP・確報 (前期比) +0.3%
   (独) 1-3月期GDP・確報 (季調前:前年比) +1.6%
17:30 (英) 4月小売売上高 (自動車燃料含む:前月比) -1.2%
18:30 (南ア) 4月生産者物価指数 (前年比) +3.7%
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 22.2万件
22:00 (米) 3月住宅価格指数 (前月比) +0.6%
23:00 (米) 4月中古住宅販売件数 560万件 560万件
    (米) 4月中古住宅販売件数 (前月比) +1.1% 0.0%
未定 (南ア) SARB政策金利発表 6.50%


第165回 『おしえて陳さん』 
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