【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は、堅調に推移した。ムニューシン米財務長官は21日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、米国、メキシコ、カナダの3カ国はなお重要な案件について協議する必要があるとの考えを示した。財務長官は、「まだかなり重要な懸案が残っている」と述べた。そのうえで、トランプ政権は議会の承認が必要となる新たな貿易協定の策定に引き続きコミットしているとしながらも、議会の承認が必要にならない「スキニー」な合意を検討する可能性もあるとの立場も示した。

23日に発表されたメキシコ第1四半期GDPは前年比+1.3%と、前回1.5%、 予想1.4%を下回った。景気減速が確認されたものの、メキシコペソはドル売りを受けて上昇した。NAFTA再交渉を巡る動きを示す報道もあって、メキシコペソは対ドルで約1%高まで上昇した。トランプ大統領はこの日、米自動車産業の労働者に歓迎される「大ニュース」が発表されるとツイートした。また、メキシコ経済次官が今週、ワシントンで米当局者との協議を継続していることが関係筋の話で明らかになった。また、キシコ隔週消費者物価指数前年比+4.46%と前回+4.69%より改善したものの予想4.1%より上回った。

*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しそうだ。メキシコペソは、北米自由貿易協定(NAFTA)見直しの協議が継続していることが支援要因になっている。ただ、NAFTA再交渉の早期合意への期待感は強いものの、なかなか合意に至らない状況が続いている。ムニューシン財務長官は「まだかなり重要な懸案が残っている」と述べ、トランプ政権は議会の承認が必要となる新たな貿易協定の策定を引き続き模索するものの、議会の承認が必要にならない合意を検討する可能性もあると指摘した。

メキシコ中央銀行は通貨ペソの下落が続いた場合、利上げかペソ支援強化に動く可能性があるという。メキシコ中銀は今月17日の会合で政策金利を7.50%に据え置いた。ただ調査によると、多くのアナリストが、ペソ安が止まらなければ中銀が何らかの手を打つと答えた。具体的な対応については、25bpの利上げと為替ヘッジ契約入札規模の拡大を挙げた。メキシコ中銀は変動相場を支持し、外為市場での直接介入を避けているが、昨年2月にペソが急落した際に200億ドルの枠を設けた為替ヘッジ契約入札を導入した。これまでの実施規模は55億ドルで、まだ大きな活用余地が残っている。


【メキシコ経済指標】
28日月曜日
22:00 4月失業率 前回2.9%   予想3%

6月1日金曜日
米メキシコへの関税除外措置期限


peso0528

*予想レンジ:5.50円~5.80円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。