6月1日(金)
【5月31日の海外相場および市況】
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*31日のNY外国為替市場では、世界的な貿易摩擦に発展するとの懸念が広がる中、安全通貨である円が買われ、ドル円は108円台で軟調に推移した。トランプ政権はこの日、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限から除外していた欧州連合(EU)、カナダ、メキシコに対し、6月1日から追加関税を課すと発表。追加関税を免除する見返りとして対米輸出を絞り込む数量規制を導入するよう譲歩を迫ったが、交渉はまとまらなかった。この発表を受け、これら3カ国・地域はいずれも対抗措置を取る構えを見せているため、主要国・地域との貿易摩擦が激しくなるとの懸念が再燃し、一時108円39銭まで下落した。ただ、その後は翌1日に5月米雇用統計の発表を控えているため、ドルは買い戻され108円台後半に浮上した。4月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.0%上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)の物価安定目標を維持したほか、週間新規失業保険申請件数も市場予想に比べて少なかった。このため、依然として年内4回の利上げもあり得るとの見方も強く、ドルの下値は堅かった。

*31日のNY金は小幅安。イタリアの政局不安がひとまず一服。昨日発表された4月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.0%上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)の物価安定目標を維持したため、米連邦準備制度理事会(FRB)による6月の利上げを後押しする内容となった。金利を生まない資産である金には圧迫材料となり、売りが優勢となった。ただ、トランプ政権がこの日、3月下旬に発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限について、一時的に適用を除外していた欧州連合(EU)、カナダ、メキシコに対する追加関税の発動を6月1日以降に実施すると発表。米国の決定に対し、EUやカナダ、メキシコとも強く反発し、すぐさま対抗措置で応じる方針を表明。世界的な貿易摩擦に対する懸念が再燃し、リスク懸念から下値は支えられた。NY白金は3日続伸。

*31日のNY原油は、対ユーロでのドル高進行や需給引き締まり観測の後退などを背景に反落した。ロイター通信はサウジアラビアに精通する中東湾岸筋の話として、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国は2018年末まで協調減産の継続を表明しているが、供給不足を防ぐために段階的な生産調整を行う用意があると報道。この報を受けて、需給引き締まり期待が後退した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、25日までの1週間の国内原油在庫が前週比360万バレル減と、取り崩し幅が市場予想の50万バレルを大幅に上回った。ガソリン在庫は50万バレル増(同140万バレル減)、ディスティレート(留出油)在庫は60万バレル増(市場予想は130万バレル減)だった。

*31日のシカゴトウモロコシは押し目買いに反発。貿易摩擦の影響が米国産トウモロコシの輸出に及ぶとの懸念が上値を抑えた。米国は311日、3月に発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限について、これまで除外してきたカナダやメキシコ、欧州連合(EU)にも適用すると発表。貿易戦争へ懸念が再燃している。シカゴ大豆は続落。ロス米商務長官が世界最大の大豆輸入国である中国への訪問を数日後に控えている。中国との間で、米国産品輸入拡大の具体的な数値の約束取り付けに努める見込み。

*31日のNYダウは、トランプ政権が欧州連合(EU)やカナダなども鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の対象にしたことを嫌気して反落した。トランプ政権は31日、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置の対象から一時的に除外していたEUやカナダ、メキシコに対し、追加関税を6月1日から発動すると発表。報復措置の応酬となる世界的な貿易戦争に発展するとの懸念が高まった。米国の決定に対し、EUやカナダ、メキシコとも強く反発し、すぐさま対抗措置で応じる方針を表明した。


【1日の経済指標】
08:50 (日) 1-3月期法人企業統計・設備投資 (前年比) +4.3%
10:45 (中) 5月財新/製造業PMI 51.1
17:30 (英) 5月製造業PMI 53.9
21:30 (米) 5月非農業部門雇用者数 +16.4万人 +19.5万人
21:30 (米) 5月失業率 3.9% 3.9%
21:30 (米) 5月平均時給 (前月比) +0.1% +0.2%
23:00 (米) 5月ISM製造業景況指数 57.3 57.5
23:00 (米) 4月建設支出 (前月比) -1.7%


第167回 『おしえて陳さん』 
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