【南アランド円相場、先週の動き・今週の展望】
先週の南アランド円は下落した。週明け、イタリアの政局不安を背景にリスクオフモードが強まり、新興国通貨には売り圧力がかかった。

30日は1〜3月の米実質GDP改定値が季節調整済み年率換算で前期比2.2%増と、速報値の2.3%増から小幅下方修正されたことを受けて、ドルが下落したため、南アランドは上昇した。

しかし、31日に発表された南アフリカ貿易統計で、今年1-4月の貿易収支が赤字になったことが判明すると、同国の景気回復の脆弱さが示されたとして、南アランドは下落した。

*今週の南アランド円は、上値の重い展開が続きそうだ。トランプ政権は31日、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限から除外していた欧州連合(EU)、カナダ、メキシコに対し、6月1日から追加関税を課すと発表。これに対して、これら3カ国・地域も即座に対抗措置を取る姿勢を見せ、貿易摩擦の激化が懸念された。

米中貿易摩擦も再び拗れてきており、資源国である南アフリカにも心理的に嫌気される材料で、南アランドの上値を抑えよう。31日に発表された貿易統計では、1-4月の貿易収支は、176億5000万ランド(13億9000万ドル)の赤字。前年同期は85億2000万ランドの黒字だった。赤字が判明し、景気回復の脆弱さが示された。今週5日に発表される2018年第1四半期国内総生産(GDP)を押し下げるとの観測も強まっている。ラマポーザ新政権の経済再建に期待を向けていた目は徐々に厳しくなるだろう。

【南アフリカ経済指標】
5日火曜日
18:30 第1四半期GDP前年比 前回+1.5%

7日木曜日
20:00 4月製造業生産前年比 前回-1.3%


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*予想レンジ:8.45円~8.80円


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