【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は大幅上昇した。4日に発表された5月消費者物価指数(CPI)は前月比1.62%上昇(予想1.45%)と予想を上回り、前年比では12.15%上昇、前月は10.85%上昇だった。シムシェキ副首相は「比較対象の関係で短期的にインフレ率は上昇が続く可能性があるが、金融と財政の政策協調で下半期には低下トレンドが始まるだろうとした。

トルコ中銀は7日の理事会で、政策金利の1週間物レポレートを1.25%引き上げ17.75%にすると発表。予想以上の利上げを受けてトルコリラは急上昇した。トルコ中銀は声明で、今回の利上げは、インフレ上昇がリスクをもたらすとし、価格安定のため金融引き締めをさらに強化したと発表した。ただ、大統領選挙でエルドアンが勝った場合、再び利下げ方向に進むのではという懸念が残っているため、トルコリラは伸び切れなかったようだ。

政策金利(1週間物レポ)16.50%⇒17.75%、
翌日物貸出金利 18.00%⇒19.25%、
翌日物借入金利 15.00%⇒16.25%、
後期流動性貸出金利 19.50%⇒20.75%


*今週のトルコリラ円は、保ち合いとなろう。先週末8日のトルコリラは対ドルで下落。7日の利上げを受けて上昇したものの、高値を維持できなかった。ムーディーズは1日、トルコの経済運営を巡る懸念や投資家の信頼感の低下を挙げ、同国の格付け「Ba2」を格下げ方向で見直すと発表。同社は3月に格付けを「Ba2」に引き下げた。純資本流入に深く依存する国にとって、投資家心理の悪化は大きな課題となると指摘。当局が国内の経済構造問題に完全に対応できていないとした。

またフィッチは、トルコの銀行25行の格付けを「ウォッチ・ネガティブ」に指定すると発表。同社は「ウォッチ・ネガティブ」指定について、銀行の業績、資産内容、また最近の市場のボラティリティー上昇を受けた流動性などに対するリスクを反映したと説明。中銀の利上げは政策を巡る疑念を払拭し、信認を高めたが、最近の格付け会社のトルコへの見解で楽観的見方が相殺されているようだ。

市場から利上げが「遅すぎ、小幅すぎ」と批判されてきたトルコ中銀は今回、大胆な引き締め姿勢を見せ、信認の回復に乗り出した。背景には24日に迫った大統領選と国会総選挙で思わぬ苦戦を強いられているエルドアン大統領の方針転換があると言われている。エルドアン政権はこれまで景気浮揚を優先して中銀の利上げに反対する姿勢を示してきたが、選挙を前にリラ急落によるインフレ高進と景況感の悪化を放置できないと判断したようだ。

トルコのシムシェキ副首相とチェティンカヤ中銀総裁は先だって、ロンドンで開かれた機関投資家との会合で、トルコ中銀はリラ防衛に向けた行動で独立性を認められていると強調し、金利政策を巡るエルドアン大統領の強硬発言について軌道修正を図った。今回の利上げ措置はこれを裏付けた格好になり、海外投資家の信任を幾分か取り戻した可能性がある。ただ、市場は24日の大統領選でエルドアン氏が勝利した場合、再び中銀の政策に口を挟むか利下げ圧力を示唆するかを依然として懸念している。

【トルコ経済指標】
11日月曜日
16:00 4月経常収支 前回-48.1億USD 予想-51.5億USD
16:00 第1四半期GDP前年比 前回+7.3% 予想+7.0%

13日水曜日
16:00 4月鉱工業生産前年比 前回+7.6% 予想+6.2%

lira0611

*予想レンジ:23.00円~25.00円


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