【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。米国は1日、EU、カナダ、メキシコに対し、鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課す輸入制限措置を決定。メキシコは米国に対して報復措置として鉄鋼製品の他に、豚肉やリンゴなど米国からメキシコへの輸出が多い農畜産品に対して追加関税をかける方針を明らかにした。

メキシコ政府はさらに4日、鉄鋼とアルミニウムを対象とする米国の輸入制限は国際的な貿易ルールに違反しているとして世界貿易機関(WTO)に提訴する手続きを始めると発表した。メキシコのグアハルド経済相は5日、米国の鉄鋼・アルミニウム関税に対する報復措置として米国産豚肉に20%の関税を適用すると発表したことを受け、欧州からの豚肉輸入を増やす考えを示した。メキシコペソが2017年2月以来の安値を更新した。米国がメキシコとカナダと個別の貿易協定を目指す可能性があることを示したことで、北米自由貿易協定(NAFTA)が崩壊するとの懸念が強まった。

米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長はこの日、トランプ大統領がメキシコ、およびカナダと個別の貿易協定締結に向けた協議を行う可能性があると発言。米国がNAFTAを撤廃すると可能性があるとの懸念が高まった。3月消費者物価指数(CPI)が4.51%と前回4.55%、予想4.46%を上回ったこともメキシコペソを押し下げた。

*今週のメキシコペソ円は戻り売りが優勢となろう。米国との貿易戦争は互いに報復措置を課しあい、激化の様相を呈している。今後はすでにWTOに対して同様の手続きを進めるカナダや欧州連合(EU)とも連携しながら米国に輸入制限の停止を迫る考え。

また、メキシコが対米報復関税の報復として、豚肉、リンゴ、ジャガイモ、バーボン、鉄鋼等の品目に3300億円規模の関税を課した。特に豚肉は年間10億7000万ドルの輸入額のうち約90%が米国産。価格上昇を回避するため米国以外からの輸入を増やす見込み。メキシコ政府は今回の鉄鋼・アルミの貿易制限措置とは別にNAFTA再交渉の協議を継続していく方針だが、両国の関係悪化もあり合意はさらに厳しくなってきており、7月1日のメキシコ大統領選前に締結することは難しくなった。

メキシコ中央銀行は、17日の理事会では、政策金利を9年ぶりの高水準である7.50%に2カ月連続で据え置くことを満場一致で決めていた。31日に公表した17日の理事会議事要旨によると、インフレ上昇につながり得るショックに備えるため「慎重な」政策運営が必要との見方でメンバーの意見が一致していた。議事要旨によると、大半の委員は通貨ペソが売り圧力にさらされる可能性を指摘。要因としては、ドルの全面高、米国およびカナダとの貿易交渉を巡る不透明感、7月1日のメキシコ大統領選・議会選が挙げられた。

また、すべてのメンバーが慎重な金融政策の実行を続ける必要性で合意し、メキシコ経済が数カ月中にインフレ圧力を強めかねない何らかのショックに見舞われる可能性があることを示唆したという。そして、成長には下振れリスク、物価には上振れリスクがあるとの見方を示した。

メキシコ大統領選で支持率トップに立つロペスオブラドール元メキシコシティ市長は、自身が極端な左派ではないと説明し、NAFTAを存続させる意向を示した。ロペスオブラドール氏が当選した際に財務相への指名が予定されているカルロス・ウルスア氏は、「われわれは、左派ではない。中道左派だ」と説明。 ロペスオブラドール氏は、中銀の独立性や為替の変動相場制、自由貿易を支持しており、歳出拡大に歯止めをかけることに取り組むと伝えたという。


【メキシコ経済指標】
11日月曜日
22:00 4月工業生産前年比前回-3.7% 予想-1.32%
22:40 4月外貨準備前回$177.60B 予想$ 178.5B
24:30 自動車輸出前年比前回8.1%  予想10%

peso0611

*予想レンジ:5.25円~5.45円


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