6月12日(火)
【6月11日の海外相場および市況】
ny0611

*週明け11日のNY外国為替市場のドル円相場は、米朝首脳会談などの重要イベントを控えて様子見姿勢が強まり、110円近辺で小動きに推移した。この日は主要な米経済指標の発表がなく、新規材料に乏しかった。史上初の米朝首脳会談を控えて、様子見ムードも強かった。ポンペオ米国務長官は11日の記者会見で、北朝鮮を完全に非核化する目標は不変だと強調。朝鮮戦争(1950〜53年)終結を念頭に「これまでとは異なる体制保証を提供する用意がある」と述べながらも、「われわれが望む結果まで制裁解除はない」と警告した。北朝鮮側の出方が読めないだけに、様子見姿勢が強まった。一方、トランプ米大統領は9日の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)閉幕後、首脳宣言を承認しないよう米代表団に指示。保護貿易主義的な姿勢を崩さない米国と日欧加6カ国の溝が改めて浮き彫りとなった。ただ、通商政策をめぐる対立はある意味想定の範囲内で、今後の貿易摩擦回避に向けた個別交渉の行方に関心が移っている。

*トルコ第1四半期国内総生産(GDP)は前年同期比7.4%増となり、市場予想(7.0%増)を上回った。GDP成長率は前期比(季節・日数調整済み)では2.0%。4月経常赤字は54億2600万ドルに拡大し、予想(53億ドル)を上回った。

*昨日発表されたメキシコ4月工業生産前年比3.8%(前回--3.7%、予想-1.32%)いい結果だったが、ペソ円は5.4円台を割り込んだ。先週末のG7サミットの物別れ状況により、市場ではNAFTAを巡る懸念が高まったことが原因のようだ。

*週明け11日のNY金は、米朝首脳会談などの重要イベントを控えて様子見ムードが高まる中、ほぼ横ばいとなった。ドル売り・ユーロ買いが優勢となり、ドル建て金は割安感から買われ一時1307ドルまで上昇したが、その後ドルが買い戻されると、押し下げられた。ただ、今週予定される米朝首脳会談や日米欧の金融政策会合などを控えて様子見姿勢が強まったため、値動きは限定的だった。

北朝鮮をめぐる地政学リスクと6月の利上げは市場に織り込まれており、金の押し下げ要因にはなっていないようだ。NY白金は続伸。

*週明け11日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)総会を今月下旬に控えてイラク石油相の声明などを手掛かりに買いが入り、反発した。ロイター通信によると、イラクのルアイビ石油相は11日声明を発表し、産油各国は増産圧力に屈するべきでないとの認識を表明。一部産油国が一方的に増産を決定すれば、OPEC加盟・非加盟国による協調減産合意の崩壊を招きかねないと警告し、現行の協調減産措置を維持する必要性に言及した。この報を受けて、今月のOPEC総会では増産の決定が見送られる可能性もあるとの思惑が高まり、一時66.35ドルまで上昇した。

*週明け11日のシカゴトウモロコシは反落。貿易摩擦や中西部産地の降雨が嫌気された。米中西部の穀物産地での広範囲な降雨により、最近作付けされたトウモロコシの生産見通しが改善され、数カ月ぶり安値を更新した。シカゴ大豆は貿易懸念が嫌気されて続落。

*週明け11日のNYダウは、米朝首脳会談を翌日に控えて様子見ムードが強まる中、ほぼ横ばいで引けた。トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は12日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談に臨む。ポンペオ米国務長官は11日の記者会見で、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆な非核化のみが米国の受け入れられる唯一の結果」と強調。一方、北朝鮮側の出方が読み切れないこともあり、市場では会談の結果を見極めたいとの思惑から積極的な取引が手控えられた。また、12、13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、14日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会、14、15日には日銀金融政策決定会合が予定されている。主要中央銀行の政策決定が相次ぐため、様子見姿勢が強まった。


【12日の経済指標】
08:50 (日) 4-6月期景況判断BSI・大企業全産業 3.3
      (日) 4-6月期景況判断BSI・大企業製造業 2.9
10:30 (豪) 5月NAB企業信頼感 10 
10:30 (豪) 4月住宅ローン貸出 (前月比) -2.2%
13:30 (日) 4月第3次産業活動指数 (前月比) -0.3%
17:30 (英) 5月失業者数 +3.12万人
17:30 (英) 5月失業率 2.5% 
17:30 (英) 4月ILO失業率(3カ月) 4.2%
18:00 (独) 6月ZEW景気期待指数 -8.2
18:00 (EU) 6月ZEW景気期待指数 2.4
21:30 (米) 5月消費者物価指数 (前月比) +0.2% +0.2%
     (米) 5月消費者物価指数 (コア:前月比) +0.1% +0.2%
     (米) 5月消費者物価指数 (前年比) +2.5% +2.7%
     (米) 5月消費者物価指数 (コア:前年比) +2.1% +2.2%


第168回 『おしえて陳さん』 
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