6月27日(水)
【6月26日の海外相場および市況】
ny0626

*26日のNY外国為替市場では、世界的な貿易摩擦激化に対する警戒感がやや和らぎ、ドル円は110円台に上昇した。トランプ政権が保護貿易主義に傾斜する中、通商分野における経済依存度の高いオーストラリアやカナダなどの資源国通貨が売られ、安全通貨である円買いが続いていたが、この日は米長期金利の小幅上昇に伴ってドル買いが優勢となった。原油相場が約1カ月ぶりに70ドルの大台を回復したこともドル買い要因となった。

*26日のNY金は、ドル高・ユーロ安の進行に伴う割高感などに圧迫され、続落した。ドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て金に割高感が生じた。また、NYダウもプラス圏で推移し、リスク選好意欲が回復したため、安全資産とある金には売り圧力がかかった。NY白金は原油高を受けて反発。

*26日のNY原油は大幅反発。米政府は各国にイラン産石油の輸入停止を求める方針を明らかにした。米政府当局者はこの日、イラン産の石油輸入を11月4日から停止するよう、各国に求める方針を表明。適用除外は行わない方針。これを受けて、既に米国による制裁再発動で減少傾向にあるイランの石油輸出量が一段と減少するのではないかとの見方が強まった。サウジアラビアは7月の産油量を同国史上最高の日量1100万バレルまで引き上げる意向を示したものの、米国の要請の方が市場で重視された。カナダやリビアの減産懸念も強材料。カナダ最大級のオイルサンド(油砂)の産地であるアルバータ州のシンクルードの生産施設(生産能力日量最大36万バレル)が停電の影響により、7月の生産が最大10%落ち込む可能性がある。また、リビアでは武装勢力による攻撃の影響で同国の供給が混乱している。

引け後に公表された米石油協会(API)による週間在庫統計では、国内原油在庫が920万バレル減少し、市場予想(260万バレル減)を大幅に上回る取り崩しとなった。時間外取引は0.1ドル程度上昇。

*26日のシカゴトウモロコシは安値拾いの買いで反発。米農務省が25日公表した米国産トウモロコシの作柄レーティングは「良」「優良」が77%と、前週の78%から低下。ただ、この時期としては依然として過去
最高水準にある。シカゴ大豆は、良好な作柄見通しで続落。米農務省が25日公表した米大豆作柄のレーティングでは、「良」「優良」が73%となり、前週から変わらず。この時期では、過去最高のレーティングとなった。

*26日のNYダウは、前日の大幅安の反動で買い戻しが優勢となり、小反発した。前日の下げ幅が大きかった銘柄に幅広く安値拾いの買いが入った。原油相場の急反発も好感された。ただ、貿易摩擦の影響が企業活動に広がる中、先行きが不透明なことへの警戒感は根強く、上値は抑えられた。6月米消費者景気信頼感指数が市場予想を下回ったことも、重石となった。


【27日の経済指標】
07:45 (NZ) 5月貿易収支 +2.63億NZD
10:00 (NZ) 6月ANZ企業景況感 -27.2
21:30 (米) 5月耐久財受注 (前月比) -1.6% -0.2%
   (米) 5月耐久財受注 (前月比:除輸送用機器) +0.9% +0.5%
21:30 (米) 5月卸売在庫 (前月比) +0.1%
23:00 (米) 5月中古住宅販売保留件数指数 (前月比) -1.3% +1.0%


第170回 『おしえて陳さん』 
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