【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は小動きだった。3日に発表された6月消費者物価指数(CPI)は、前年比+15.39%と、5月の+12.15%から加速した。トルコ中央銀行のインフレ目標である+5%を大きく上回り、現在の算出方法が導入された2004年以来の高水準を記録した。輸送費が前年比+24.26%、食品・非酒類飲料が同+18.89%となり、それらがCPI全体を押し上げた。ユルドゥルム首相が5日、インフレと金利の押し下げが最優先課題と明言した。また、同首相はテロに対する行動ができる新たな法を発行した後に、非常事態宣言を終了すると発表した。

*今週のトルコリラ円は上値が重いだろう。週明け9日、6月24日投票のトルコ大統領選で再選されたエルドアン大統領(64)が、首都アンカラの国会で就任宣誓を行った。通算2期目に入る。これにより1923年の建国以来続いてきた議院内閣制から、大統領に権力を集中させた大統領制に完全移行する。任期は5年。

エルドアン政権は首相時代も含めると、既に約15年も続いている。しかし、経済成長率の低下やインフレの高進もあって政権運営は容易ではないと見られている。大統領選と同時に投票が実施された総選挙(一院制、定数600)では、エルドアン大統領が率いるイスラム系与党・公正発展党(AKP)は295議席に留まり過半数に届かなかった。そのため、民族主義者行動党(MHP)と協力して議会運営を行うことになる。同党はAKPと政党連合を組んで49議席を獲得した。


エルドアン大統領は、就任式後、財務相に娘婿のアルバイラク前エネルギー天然資源相を起用した。トルコ政府はまた、中央銀行総裁の任期を5年間とした規定を撤廃した。元中銀当局者は、5年の総裁任期は政治家からの独立性を保つ一種の「盾」だったと述べ、規定改正に危機感を示した。市場寄りとみられていたシムシェキ前副首相は閣僚から外れた。

金融政策に対するエルドアン大統領の影響力拡大が懸念され、トルコリラは大幅急落となった。エルドアン政権2期目は波乱の幕開けとなった。エルドアン大統領は選挙期間中に、投資促進のために利下げを行うと明言していたが、実際にこれを行えば、市場の不安感は一段と強まるだろう。


【トルコ経済指標】
9日月曜日
22:00トルコ・エルドアン大統領就任宣誓(内閣人事発表)

7月11日水曜日
時間未定、NATO首脳会議(エルドアン・トランプ会談)
16:00トルコ5月経常収支 前回-54.3億USD

7月12日木曜日
時間未定、NATO首脳会議(エルドアン・トランプ会談)


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*予想レンジ:23.00円~25.00円

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