7月11日(水)
【7月10日の海外相場および市況】
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*10日のNY外国為替市場では、市場のリスク選好意欲が回復し、ドル円は総じて111円台前半で推移していた。しかし、引け間際になり一部で、トランプ大統領が中国から輸入する2000億ドル相当の製品に追加関税を課す用意があると報じられたことから、ドル円は111円25銭付近から111円近辺に押し下げられた。

11日早朝のアジア市場でドル円は急落し、一時110円75銭まで下落。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、関税を巡る中国との交渉努力は不調に終わったとし、追加で2000億ドル(約22兆2000億円)相当の中国製品に10%の関税を課すと明らかにし、関税リストを公表するとした。新たな対中関税リストには「中国製造2025」計画の製品が含まれるという。この報道を受け、ドル円のみならず、米株価指数先物が下落し、米長期金利も低下した。

*10日のNY金は、ドル高・ユーロ安に伴う割高感を受けた売りに反落。外国為替市場では、ドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て金に割高感が強まり、一時1250ドルを割り込んだ。その後、ドルが反落すると金は買い戻された。米中「貿易戦争」をめぐる先行き不透明感に加え、北朝鮮の非核化に向けた米朝交渉の停滞、英国での欧州連合(EU)離脱問題に絡んだ主要閣僚の相次ぐ辞任など、複数の地政学的リスクが浮上していることも安全資産としての金需要を支えたようだ。NY白金は3日ぶりに反落。

*10日のNY原油は3日続伸。ノルウェーの沖合石油・ガス掘削リグの労働者ら数百人が、賃金交渉の決裂を受けてストライキを開始。10日に約670人、15日深夜から追加で901人がスト入りするとみられており、参加者は最大で2250人に達するという。これを受け、英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは同日、北海のクナル油田・ガス田の操業を停止すると発表。この影響で北海ブレント原油が上昇する中、NY原油にも買いが波及した。このほか、リビア国営石油(NOC)が9日、最近の石油輸出港の閉鎖を受けて同国の産油量が日量52.7万バレルとなり、2月に記録した日量128万バレルから大きく落ち込んだと発表したことも支援材料。ただ、ポンペオ米国務長官が10日、イラン核合意からの離脱を受けて再発動するイラン制裁に関し「米国に緩和を求める国が幾つかあるだろうし、考慮する」と述べ、イランとの石油取引を理由とした第三国制裁に際し、対象から除外する例外措置を検討する考えを示したことから、上値は抑えられた。イラン国営石油会社(NIOC)の最新統計によると、イランの原油輸出は米国の制裁開始により、日量50万バレル減少する見通し。

*米エネルギー情報局(EIA)は10日に公表した月報で、米国の原油生産量が2019年10〜12月期に初めて日量平均で1200万バレルを超えると予想した。2019年の産油量を1180万バレルと前月予想から4万バレル上方修正するとともに、同年10〜12月期は1202万バレルと見込んだ。2018年は1079万バレルと前月予想を据え置いた。

米の原油生産はシェールオイルの採掘技術向上を背景に、急増している。2017年の産油量は5.6%増で、2018年は15.4%伸びる見通し。予想通りの生産となれば、米国はロシアを抜き世界最大産油国になる。EIAは声明で、「2019年は米国、ブラジル、カナダ、ロシアで生産増が世界全体の供給拡大の過半を占める」と分析した。

米エネルギー情報局(EIA)は10日、2018年の世界石油需要を日量172万バレル増と予測し、従来予想を8万バレル下方修正した。2019年の世界石油需要は日量171万バレル増と見込み、従来予想を1万バレル下回るとした。

*英金融大手バークレイズは10日、2018年と19年の原油価格見通しを上方修正した。リビアとイランからの供給減少が見込まれるため。「新たな供給停止や急速なイラン産原油の供給減少により、19年の北海ブレント価格は平均で71ドル、WTIは65ドルになる」と予想した。

*10日のシカゴトウモロコシは続落。受粉期を迎える米中西部で来週、気温低下と降水量の増加が予想されていることが嫌気された。米中西部での良好な生育状況も重石。米農務省の週間作況報告によると、米国産トウモロコシの「優」「良」の占める割合は75%だった。シカゴ大豆ほぼ変わらず。米中西部での生育に良好な天候に圧迫されたが、安値拾いの買いで反発する場面もあった。

*10日のNYダウは4日続伸。今週から発表が本格化する米企業決算への期待が広がった。清涼飲料大手ペプシコがこの日発表した4〜6月期決算は、スナック菓子の販売が伸び、売上高と特殊要因を除いた1株当たり利益が市場予想を上回った。好調な業績を受けて、今後発表される米企業決算への期待が広がり、生活必需品株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。また、米原油相場が需給の引き締まり観測を背景に上昇したため、エネルギー株も買われた。


【11日の経済指標】
08:50   (日) 6月 国内企業物価指数 [前月比]  0.6%  0.2% 
08:50   (日) 6月 国内企業物価指数 [前年同月比]  2.7%  2.8% 
08:50   (日) 5月 機械受注 [前月比]  10.1%  -5.0% 
08:50   (日) 5月 機械受注 [前年同月比]  9.6%  10.2% 
10:30   (豪) 5月 住宅ローン件数 [前月比]  -1.4%  -2.0% 
13:30   (日) 5月 第三次産業活動指数 [前月比]  1.0%  -0.3% 
16:00   (欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言  N/A  N/A N/A
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  -0.5%  
21:30   (米) 6月 卸売物価指数(PPI) [前月比]  0.5%  0.2% 
21:30   (米) 6月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比]  3.1%  3.1% 
21:30   (米) 6月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前月比]  0.3%  0.2% 
21:30   (米) 6月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前年同月比]  2.4%  2.6% 
23:00   (加) カナダ銀行 政策金利  1.25%  1.50% 
23:00   (米) 5月 卸売売上高 [前月比]  0.8%  
23:00   (米) 5月 卸売在庫 [前月比]  0.5%  0.4% 
24:35   (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言


第172回 『おしえて陳さん』 
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