【東京金は戻りを試す局面か】 

*先週のNY金は堅調に推移した。米国が中国製品に追加関税を課す6日を控えて、中国も米国に報復措置を取ることが判明。米中が「貿易戦争」に突入する可能性が目前に迫る中、6月の中国製造業PMIが前月から低下し、同国の景気悪化が明らかになった。景気減速により金需要が減退するとの見方から売りが優勢となった。

ただ、米中貿易戦争の激化懸念からリスク回避モードも強まり下値では買いが入った。6日には予定通り、米国は中国からの輸入品に25%の追加関税を課す制裁措置を発動、中国も報復関税を実施した。同日発表された6月米雇用統計は、景気拡大を背景とした雇用の底堅さが改めて示されたため、NYダウが堅調に推移し、安全資産とされる金は売られた。

平均賃金の伸びが予想を下回ったため、ドルがユーロに対して軟化したことや、米中貿易戦争による世界経済への影響が懸念されたことから、金には安全資産としての買いが入った。このため、週間では上昇となり1250ドル台は維持されて週を終えた。

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一方、米長期金利の高留まりや反発した株価を背景に金現物需要は減少し、金ETFは2017年8月末以来の低水準となった。ただ、3日に1238.8ドルまで下落した時点でRSIは20%台まで急落しており、テクニカル的には底値に達した可能性が出てきた。1250ドルを挟むレンジで保ち合いながら値固め局面に入ったと予想する。

*NY金予想レンジ=1230~1270ドル


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*CFTC建玉7月3日時点:ファンドの金買い越しは7万8327枚(前週比+1655枚)と増加。総取組高は49万4164枚と前週比2万5591枚の増加。
   
*東京金は7月3日に4402円まで下落し、年初来安値を更新した。その後は、反発に転じ10日には4500円近辺まで上昇した。先週公表された6月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では年内の利上げペースについての言及が市場の想定の内容にとどまった。金融政策は経済を過熱、抑制させないようになるまで利上げが続くことが示唆された。

すでに米連邦準備制度理事会(FRB)が年4回の利上げを示唆していることから想定内の内容だった。米中貿易戦争に関しては、双方が関税を賦課したものの、市場には織り込まれていたようで、ほとんど動揺はなかった。米国がいずれ強硬姿勢を軟化させるとの見方も浮上し、過度の懸念が後退している。恐怖指数(VIX)は下落しており、市場のリスクオフモードは低下しているようだ。米長期金利も2.8%台で推移し、ドル指数もやや低下しているため、これが金をサポートしているようだ。

10日にはドル円も111円台に上昇し、東京金を押し上げた。NY金が1250ドル台を維持しているため、東京金も円安を反映して戻りを試す場面だろう。CFTC建て玉によると、ファンドはドル買い・円売りを拡大させており、円安が進行する可能性がある。

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*東京金予想レンジ:4400~4550円。


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