【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は堅調に推移しそうだ。今週は重要イベントが複数ある。30、31日は日銀金融政策会合、31、1日には米連邦公開市場委員会(FOMC)がそれぞれ開催され、3日には7月米雇用統計が発表される。週明け30日の東京市場におけるドル円は、日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとのムードから111円を挟んだレンジで保ち合いとなっている。

先週は、日銀が長期金利の誘導目標の柔軟化を検討していると報じられるなど大規模な金融緩和政策の副作用に関するニュースが出て、国内長期金利が上昇し、日米金利差縮小観測からドル安・円高が進んだ。31日の日銀決定会合では金融緩和の柔軟化が予想されているが、今後の連続的な利上げの端緒となる可能性は低く、日米金利差の持続的縮小につながるような展開にはならないと予想される。

ただ、物価上昇率の見通しを修正する可能性があり、金融緩和策は維持されよう。110円台では実需の買いもあってドル円は底堅く推移しよう。会合後に黒田日銀総裁が会見で、長期化する金融緩和政策の副作用について、どのような発言をするかが注目される。1日のFOMCでは、政策金利の据え置きが見込まれている。9月の会合で利上げが行われると予想されているが、トランプ大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げに不満を示したため、パウエルFRB議長がどのような見解を示すのか注目される。

27日に発表された第2四半期国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比4.1%増と、約4年ぶりの高い伸びを記録したことを踏まえて、ムニューシン財務長官は、米経済は今後4-5年に渡り、3.0%以上の成長率を維持するとの見通しを示した。3日に発表される7月米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比19万3000人増え、失業率は3.9%に低下する見込み。平均時給は年率2.7%増が見込まれており、今後の利上げを後押しする内容になりそうだ。総じてドル買い要因が多く、ドル円は反発する可能性が高いだろう。

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*CFTC建玉7月17日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万9832枚(前週比+1102枚)と増加した。総取組高は18万2066枚と前週比1万3706枚の減少。

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*予想レンジ:110.00円~112.50円

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