【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉がまとまらない中、トルコリラの下落に連れて、新興国通貨であるメキシコペソにも売りが強まった。メキシコのグアハルド経済相は9日、NAFTAの見直しについてライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との会談後、協議は進展しているが、カナダが協議に戻れるために必要な米国とメキシコの合意にどの程度時間がかかるかは不明だと説明した。

メキシコと米国は、自動車分野の原産地規則や賃金について主に協議している。会談後に自動車分野に関する議論について質問された際、グアハルド氏は「できるだけ早期の合意を目指し全力を尽くしている」とコメントし、10日もワシントンに滞在すると明らかにした。

*今週のメキシコペソ円は上値重いながらも下げ止まりを探る展開になろう。先週末に起きたトルコリラの急落を受けてメキシコペソも下落となった。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の進展が期待されている。トランプ大統領は10日、カナダ、メキシコと進めるNAFTA再交渉を巡り、「メキシコとの取引は順調に進んでいる」と明らかにした。同日開いた閣僚会合での進捗を踏まえた発言とみられる。

一方、カナダの貿易障壁に改めて不満を表明し「もし取引ができなければ、自動車に関税をかける!」と警告した。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は10日、メキシコのグアハルド経済相と会談した。トランプ氏はツイッターで「自動車メーカーや農家は大事にしなければいけない。さもなければ取引はなしだ」と指摘した。「次期大統領は本当の紳士だ」と称賛し、7月1日のメキシコ大統領選を機に協議が進展していると評価した。ロイター為替予測調査によると、メキシコペソの対ドル相場は、大統領選で勝利したロペスオブラドール氏への信頼感に支えられて上昇基調を保ちそうという。

ペソ高要因として、メキシコ中央銀行の独立性に加え、起業家の自由と民間セクターを擁護するロペスオブラドール氏の姿勢が挙げられた。財界団体が支持を表明したことも、政界と財界の協力へ向けた好ましい兆候と受け止められた。だが北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が難航しているため、ペソ相場が波乱なく推移するわけでもなさそうだ。

【メキシコ経済指標】
13日月曜日
22:00 6月外貨準備高前回$178.41B  予想$ 178.3B

16日木曜日
24:00メキシコ中銀金融政​​策決定会合議事録


peso0813

*予想レンジ:5.5円~6.85円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。